2016年08月17日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第29節水戸ホーリーホック戦

試合レポート

 鮮やかな逆転勝利で、チームの強さを証明した。8月15日に行われたJ2第29節水戸ホーリーホック戦。ライバル同士の意地と意地がぶつかり合う北関東ダービーで、ザスパは1点ビハインドの展開をひっくり返し、後半に2得点して2−1で逆転勝利を収めた。水戸からは2009年9月以来14試合ぶりとなる白星。服部浩紀監督は「北関東ダービーのライバルに対して、長年勝てていないことは、サポーターも含め、悔しい思いをしてきただろうし、それを踏まえて、今日は勝つことが出来て良かった」と胸を張った。
 前節、アウェーでの讃岐戦に勝利し、開幕2戦以来となる今季2度目の連勝を果たしたザスパ。今節は服部監督体制となった昨シーズンから、一度も達成していない3連勝への挑戦となった。昨シーズンから何度もチームが波に乗りかけた時に3連勝の壁に阻まれ、悔しい思いをしてきただけに、今節こそ勝ち点3を獲得すべく、チーム一丸となってライバルとの一戦に臨んだ。
 北関東ダービークラシカルと題されたゲーム。ザスパは水戸に、今季前半戦では0−1で敗れているだけに、雪辱を晴らすべく高いモチベーションを持って戦った。服部監督の選んだスターティングメンバーも、モチベーション重視。古巣水戸相手に気持ちを高める常盤聡が6試合ぶりに先発出場となり、前節まで2試合ベンチスタートだった高橋駿太と、前節途中出場でゴールを決めた瀬川祐輔の2人もスタメンに復帰した。ケガからの復帰後、2試合連続で先発出場し、試合の流れを引き寄せた吉濱遼平はベンチスタート。勝負どころでジョーカーを投入し、一気に勝負を決める狙いが感じられた。両チームのベンチワークも楽しみな試合となった。
 ザスパは序盤、水戸の勢いを受ける形となり、耐える展開となった。22分には自陣左サイドの裏を突かれ、クロスからピンチに。守備陣が体を張って守り事なきを得たが、立ち上がりから苦しい時間が続いた。
 流れの中での相手の攻撃はなんとか耐えていたが、32分、セットプレーで集中力を切らしてしまった。相手の右サイドからのCK。ニアサイドに蹴り込まれたボールに対し、誰も競りに行くことができず、フリーで相手にヘディングシュートを許した。痛恨の先制点。わずかな隙で与えた失点が、ザスパに重くのしかかった。
 攻撃はシュート1本に抑えられ、思うように相手の守備を崩せなかった。0−1で前半を折り返した。
 1点ビハインドで後半を迎えたが、選手に焦りはなかった。「最近のチームならば、1点だけなら自分たちの戦いができれば試合をひっくり返せると思っていた」と常盤。チーム全体が後半に入ると見違えるような動きを見せ、水戸ゴールに迫った。
 そして11分、古巣との対戦に燃える常盤の執念が、同点ゴールを呼び込んだ。中盤でボールを受けた松下裕樹が、右サイドへ正確なロングパス。舩津徹也がトラップから前を見て、スペースにグラウンダーのボールを送り込むと、これに反応したのが常磐だった。相手DFの裏へ動き出した常盤は、懸命に足を伸ばしてボールに触れると、角度の変わったボールはそのままゴール方向へ。しかし、ゴールライン上で相手DFにクリアされた。その直後、そのクリアボールに瀬川が素早く詰め、同点ゴールを押し込んだ。「自分が交代する直前だったが、ワンプレー、ギリギリのところで結果を残せたので、諦めずに走ってよかった」と常盤。この直後、吉濱と交代してピッチを去ったが、先発起用に応え、しっかりと結果を残した。
 同点に追いつき、さらにジョーカー吉濱の登場で一気に湧き上がるスタジアム。ザスパの押せ押せムードは最高潮となり、次々とチャンスをつくった。高橋の裏への抜け出しからの相手GKとの1対1、高瀬優孝のクロスに飛び込んだ瀬川のシュート、吉濱のアーリークロスからの山岸祐也のヘディングシュート−。立て続けに決定機を演出したが、ゴールまではあと一歩。同点のまま試合終盤に入った。
 そして迎えた32分、ついに待望の瞬間が訪れた。攻撃のスイッチは、松下の縦パスから。松下がバイタルエリアに位置する瀬川に鋭い縦パスを送ると、瀬川がワンタッチで横の山岸へ。山岸がワントラップから丁寧にスルーパスを出し、最後はボランチの位置から攻撃参加した中村駿が、ファーサイド目掛けて左足を振り抜き、逆転ゴールを叩き込んだ。
 松下の縦パスをスイッチに、大卒ルーキー3人のコンビネーションで奪った逆転ゴールは、ここまでチームが積み上げてきた形の結晶であり、このチームの可能性の高さを示すゴールだった。
 残り時間、ホームの大声援を背に戦うザスパは、水戸に付け入る隙を与えなかった。7年間待ち望んだライバルからの勝利、2年ぶりの3連勝。終了のホイッスルが鳴ると、選手、スタッフ、サポーター、全ての喜びがスタジアムで爆発した。「平日の夜にも関わらず、たくさんの人がスタジアムに来てくれた。本当にこういういい雰囲気の中で試合ができることは幸せだし、本当に勝ててよかった」と中村駿。その言葉通り、この日の勝利はサポーターとともに掴み取った大きな勝ち点3となった。
 上り調子のチームは16位まで順位を上げた。この強さは本物か。「この勢いだけでなく、チームとしてコンビネーションをもっと高め、連携をもっともっと構築していくことが大切。乗っていけるところは乗っていき、3連勝で終わらず、4連勝、5連勝と続けてどんどん勝ち点を積み上げていきたい」と常盤。次節アウェー町田戦に勝てば、クラブの1シーズンの連勝タイ記録となる4連勝。2011年以来の4連勝を達成できれば、ザスパがJ2終盤戦の台風の目になるに違いない。



【結果】
ザスパクサツ群馬 2−1 水戸ホーリーホック

会場:正田醤油スタジアム群馬

8月15日(月)19時00分キックオフ
前半 0−1
後半 2−0 (56分・瀬川祐輔、77分・中村駿)
入場者数:4002人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160815.html
をご覧下さい。

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