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2016年07月30日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第25節東京ヴェルディ戦
試合レポート
意地の勝利だった。J2第25節東京ヴェルディ戦でアウェーの地に乗り込んだザスパは、1点ビハインドの状況から気迫の逆転勝利。8試合ぶりに勝ち点3を獲得し、降格圏から脱した。服部浩紀監督は「今日は勝ち点3を奪うことができたのが最大の収穫。選手が最初からはハードワークをしてくれたことが勝利につながった」と選手たちのタフな戦いをたたえた。
前節、ホームで北九州と対戦し、2点ビハインドから粘りの戦いで2―2のドローに持ち込んだザスパ。他会場で金沢が勝利したため、順位こそリーグ最下位に転落したが、チームの調子が上向いていることは明確だった。上り調子の勢いを生かす狙いがあるのか、服部監督は今節、北九州戦と同じ11人をスターティングメンバーにチョイス。坪内秀介主将や北九州戦で交代出場ながら同点ゴールを決めた小林竜樹らがベンチスタートとなった。
最下位のザスパはもちろんだが、勝ち点差わずか6の17位に位置する東京Vにとっても絶対に負けられない一戦。試合は序盤から白熱した展開となった。
ザスパはこの一戦に懸ける思いをピッチ上で体現。立ち上がりから球際で優位に立ち、相手を押し込んだ。
開始6分、中村駿が素早いプレスから高い位置でボールを奪い、一気にチャンスに。最後は高橋駿太が相手GKと1対1となるが、シュートは惜しくも阻まれた。
逆に13分、相手のCKから二次攻撃を受け、最後はミドルシュートのこぼれ球を押し込まれてネットを揺らされる場面も。しかし、ここはDFの的確なラインコントロールにより、オフサイドで失点にはならなかった。
22分にはまたしても素早いプレスからカウンターを発動。ハーフウェーライン付近で平秀斗がボールを奪い、最後は山岸祐也が惜しいシュートを放った。23分には得意のサイド攻撃で好機。高瀬優孝のグラウンダーのクロスから、最後は瀬川祐輔が思い切りのいいシュートを放った。
試合がヒートアップする中、ザスパは24分に思わぬ展開で優位な状況となった。ハーフウェーライン付近で相手のパスミスを拾った山岸に、相手選手が危険なタックルでファウルの判定。このプレーで相手選手が2枚目のイエローカードを受けて退場となり、前半途中で一人多い状態で戦えるアドバンテージを得た。
ただ、一人少なくなった東京Vが守りを固めてきたため、前半の残りの時間はなかなか思うように相手の守備ブロックを崩せず、スコアレスのまま折り返した。
攻撃の糸口をつかもうと、服部監督は後半開始から平に変えて前節北九州戦で劇的な同点ゴールを決めた小林竜樹を投入。「竜樹のいいところは立ち位置でボールを受けられること。そのストロングをしっかり使って、竜樹のボールを引き出す力をサイドで使いたかった」(服部監督)と話すように、サイドを起点に攻めることを徹底させた。
それでもなかなか得点が奪えないザスパ。惜しいチャンスは作るものの、最後の局面で決定力を欠き、時間だけが経過していった。
すると21分、目を覆いたくなるようなシーンが発生した。相手のふわりとしたロングボールに対し、GK清水慶記が不用意に飛び出してゴールをガラ空きに。ボールの落下点に入ったパクゴンがヘディングでクリアするも、そのこぼれ球を相手選手に拾われ、ガラ空きのゴールに蹴り込まれた。
自分たちのミスで一人少ない相手にリードを許す最悪の展開。メンタル的にもどん底に落ちかねない状況だったが、ザスパはここから驚異の反撃を開始した。
失点からわずか2分後、高い位置でボールを奪うと、瀬川から左サイドを駆け上がった高瀬へスルーパス。高瀬がワントラップでPA内に入ると、最後は豪快に左足を振り抜き、同点ゴールを叩き込んだ。
高瀬のJ初ゴールで一気に波に乗ったザスパは、続けざまにチャンスをつくった。32分には松下裕樹が惜しいミドルシュート。さらに32分、相手GKのミスキックを逃さず、敵陣でボールを拾った瀬川が山岸にスルーパス。山岸が冷静にGKをかわし、逆転ゴールを流し込んだ。
どん底から這い上がったザスパは、残り時間をしっかり守り、逆転で8試合ぶりに白星を獲得した。
高瀬が「これまでなかなか勝てていなかった中で、逆転で勝利できたことが大きい」と話したように、試合内容に成長を感じる中、それが結果に伴わない試合が続いていたザスパにとって、逆境をチーム一丸となって跳ね返したこの日の勝利は本当に大きな意味を持つ。これまでチームとして感じていた手応えが、この日の勝利によって自信となったことだろう。その上で、逆転ゴールの山岸が「まだ一つ勝っただけ」と強調したように、最下位とわずか勝ち点1差の20位では、まだまだ満足するわけにはいかない。「この順位から這い上がるためにも、勝ち続けなきゃいけないし、どんどん連勝するつもり」と高瀬。その言葉通り、連勝街道を突き進んで巻き返しとなるか。そのまず第一歩が次節アウェーでの愛媛戦となる。
【結果】
東京ヴェルディ 1−2 ザスパクサツ群馬
会場:味の素スタジアム
7月24日(日)18時00分キックオフ
前半 0−0
後半 1−2 (得点者:高瀬優孝、山岸祐也)
入場者数:3739人
詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160724.html
をご覧下さい。
本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
TEL:027-225-2350 FAX:027-225-2355