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2016年07月10日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第21節FC町田ゼルビア戦
試合レポート
勝ち点3を得るチャンスは十分にあった。しかし、そのチャンスを生かすことができなかった。J2第21節FC町田ゼルビア戦。前半を0−2とリードして終えたザスパだったが、後半に2失点を喫して追いつかれ、終盤には瀬川祐輔がPKを外しドローで終了。服部浩紀監督は「勝ち点1に終わってしまったのは、失点よりも3点目が奪えなかったことが要因」と嘆いた。
ザスパは前節、ホームで首位札幌に0−1と惜敗したものの、最近4試合で1勝2分け1敗と着実に勝ち点を積み上げており、チームは一歩一歩前に進んでいた。今節は前節に続き2試合連続でホーム戦。大勢のサポーターの前で町田を倒し、シーズン後半戦に向けて巻き返しの機運を高めたい一戦となった。
札幌戦は試合内容は悪くなかっただけに、服部監督は前節と同じメンバーを選択。2泊3日の草津キャンプを経て、チーム一丸となって前半戦の締めくくりとなるゲームに臨んだ。
試合は立ち上がりから気迫で勝るザスパのペースとなった。スピードのある瀬川祐輔を軸としたプレッシングが相手を苦しめ、ボールを奪ってから素早く攻撃に切り替えるサッカーで流れを引き寄せた。
押し気味に試合を進めると、見せ場はすぐにやってきた。11分、左サイドで得たFKを高瀬優孝が蹴り込むと、相手DFとGKの間に入った絶妙なボールに舩津徹也がドンピシャのヘディングシュート。相手の隙を突いたスカウティング通りのプレーで幸先よく先制ゴールを叩き込んだ。
ザスパの勢いは止まらなかった。24分、またしてもセットプレーからチャンスをつくった。左サイドでのCKを高瀬が蹴り、高い軌道のボールをニアサイドへ。ボールが相手DFの頭を越えると、すぐさま乾大知が飛び込み2点目のゴールを奪った。
高瀬の正確な左足のキック、スペースに飛び込むプレー、相手の隙を見つけるスカウィング―。そうしたいくつもの要素がかみ合い、ゴールという結果につながった。これまでセットプレーでの得点が少ないことが課題となってきたが、それを克服すべくチームとして努力してきた成果が表れた。
その後も押せ押せムードは変わらず、左サイドを起点とした攻撃で次々とチャンスを作った。3点目は奪えなかったものの、一方的な展開で2点をリードしたまま前半を終えた。
このままいい流れが続くかと思われたが、そう簡単にはいかなかった。後半は一転して町田ペース。ザスパは立ち上がりから耐える時間が続いた。
リードしている安心感なのか、前半に見せたDFラインの細かい上げ下げがルーズになりはじめ、ラインがずるずると下がっていった。押し込まれる展開の中、体を張った守備でなんとか跳ね返した。
しかし27分、わずかなほころびを突かれ、失点した。ハーフウェーライン付近からDFラインの背後にロングボールを供給されると、GK清水慶記と坪内秀介が一瞬、ボールを見合い、最終的に坪内がクリア。このボールを相手に拾われ、そのままミドルシュートを打たれると、無情にもボールはゴールに吸い込まれていった。守備陣の連係不足から生まれて悔やまれる失点となった。
一度崩れたリズムはなかなか立て直せなかった。37分、自陣右からの町田のCK。ニアサイドに素早いボールが飛んでくると、先に相手にボールを触れられ、軌道が変わってゴールへ。痛恨の同点ゴールを許した。
このままでは終われないザスパ。残り時間、必死に攻め、勝ち越しゴールを狙った。そして43分、絶好の勝ち越しのチャンスが舞い込んだ。途中出場の小林竜樹がPA内で倒され、PKを獲得した。
44分、自ら志願した瀬川がボールをセットし、たっぷりと時間を使ってキック。真ん中に思い切り蹴り込んだが、相手GKの足でのセーブにあい、勝ち越しゴールは奪えなかった。
絶好機を逃し、試合はそのままタイムアップ。チャンスがあっただけに、悔やまれるドローゲームとなった。
勝ち点1の獲得にとどまったことで、順位はJ3降格圏の21位に下降。いよいよ後がない状況になってきた。シーズン前、前半戦を終えた段階で目指していたのはトップ10。そこには遠く及ばない現状に、服部監督は目標を下方修正し、試合後、サポーターの前で「まずは残留を目指す」と宣言した。
結果的に21位に落ちたものの、ここ数試合は試合内容に向上が見られ、チーム戦術には積み上げが感じられることは間違いない。最低限の目標である「残留」を明言したことで、今季の目指すべきラインは明確化された。高瀬が「悲観し過ぎず、反省すべきところは反省し、いいところは継続」と強調したように、この先は目の前の1試合の結果だけにとらわれず、その先をみた継続的なチーム作り、戦いが最も大切になる。
結果が出ず、苦しんでいるのはみな同じ。目先の結果に一喜一憂するのではなく、「チームとしてやるべきことを徹底していくことが大切。こういう時に一人でも別の方向を向いてはいけない。やるべきことを信じてやり続け、内容を求めて向上させていけば必ず結果は出る。それを信じてやっていきたい」と舩津。今こそ選手、スタッフ、クラブ、サポーターが一体となり、互いを信じて一つになって戦うことが必要だ。クラブ史上、最も苦しい時だからこそ、ザスパというクラブの真価が問われている。
【結果】
ザスパクサツ群馬 2−2 FC町田ゼルビア
会場:正田醤油スタジアム群馬
7月3日(日)19時30分キックオフ
前半 2−0
後半 0ー2
入場者数:2374人
詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160703.html
をご覧下さい。
本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
TEL:027-225-2350 FAX:027-225-2355