2016年06月25日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第19節V・ファーレン長崎戦

試合レポート

 チームの成長を感じる価値あるドローだった。J2第19節、アウェーで長崎と対戦したザスパは、過去6戦6敗の苦手な相手に2−2で引き分け、勝ち点1をもぎ取った。先制ゴールを生かせなかったことは課題だが、逆転された後に追いつくしぶとさを発揮し、服部浩紀監督は「最後まで諦めずに戦って、そしてドローまで持ち込んだ選手たちは、本当に成長したと感じるし、前に進んでいる」と評価した。
 ザスパは前節、ホームでのロアッソ熊本戦に引き分け、最近2試合を1勝1分けとやや上り調子になりつつあった。今節は順位の近い相手のとの一戦。アウェーとはいえ、2試合ぶりの勝ち点3で巻き返しの勢いを加速させたいゲームだった。だが、長崎とは過去6戦して6敗と分が悪く、アウェー戦においては1点も取れていない状況。難敵をいかに攻略するか、チームの真価が問われる試合となった。
 発表されたスターティングメンバーは、前節熊本戦から一人を変更。長身の小牟田洋佑に代え、スピードと動き出しが持ち味の常盤聡が第12節山形戦以来のスタメン出場となった。運動量が特長の長崎だが、そんな相手に対しても走り勝つ、そんな思いが伝わるメンバー選考だった。
 試合は序盤、ザスパがボールを回して攻め込むも、ミスからカウンターを受けてピンチを招いた。2分、9分とシュートを打たれると、体を張った守備でなんとかしのいだ。
 立ち上がりのピンチを耐えたことで、流れはザスパへ。12分、逆にカウンターを仕掛け、狙い通りの形でゴールを奪った。
 右サイドでボールを受けた常盤が、しなやかな体の使い方から相手の背後へワンタッチでスルーパス。抜け出した瀬川祐輔がバイタルエリアで逆サイドを駆け上がってきた高橋駿太にラストパスを出そうとするが、このパスが相手に当たりPA内へ。フリーでボールを拾った瀬川がシュートを打つと、相手GKが足でセーブするも、こぼれ球が逆サイドに流れ、待ち構えた高橋が冷静に蹴り込んでネットを揺らした。
 アウェーでの長崎戦4戦目にして、初めて生まれたゴール。このまま試合の主導権を握るかと思われたが、その後は長崎の反撃を耐える展開となった。
 20分にはミドルシュートがポストに当たるピンチ。耐えしのいで、なんとか1点リードで折り返した。
 後半も立ち上がりから長崎ペース。5分にはCKからフリーでヘディングシュートを許した。その直後の6分、サイドからの攻撃を防ぎきることができず、同点に追いつかれた。自陣左サイドから簡単にアーリークロスを上げさせると、中央のマークも一瞬遅れ、ヘディングシュートを被弾。GK清水慶記が懸命に飛びつくも、無常にもボールは清水の手の先を行き、ゴールに吸い込まれた。
 振り出しに戻った試合は、その後、一進一退の攻防が続いた。ザスパは瀬川と高橋のコンビを中心に相手ゴールに迫り、何度かシュートまで至った。しかし、なかなか2点目を奪えずにいると、逆に21分、悪夢の展開が待っていた。
 相手の右CK。セカンドプレーまで懸命にヘディングで跳ね返したが、そのクリアボールが中途半端で相手の前にこぼれると、最後はグラウンダーのミドルシュートを被弾。逆転ゴールを叩き込まれた。
 追い詰められる中、この日はここから気迫の攻撃を見せた。失点直後、試合再開前にピッチ上で円陣を組んだ選手たち。気持ちを切り替え、チーム一丸となって反撃した。
 逆転を許した6分後、高瀬優孝のスローインから松下裕樹が枠内に鋭いロングシュート。たまらず相手GKが弾くと、このボールに瀬川が反応し、冷静にゴールに蹴り込んだ。
 さらに31分、今度が勝ち越しのチャンスが巡ってきた。左サイドでボールを持った高瀬が得意の左足で鋭いクロスを供給。GKと相手DFの間に絶妙なボールが送り込まれると、中央で一瞬早く反応した瀬川がダイビングヘッドで合わせた。ドンピシャのタイミングだったが、シュートはわずかにクロスバーの上に飛び、ゴールを奪うことはできなかった。
 その後、逆に長崎の攻撃を受ける場面もあったが、チーム一丸となって守り、さらなる失点は許さず。2−2のままタイムアップとなり、長崎から初の勝ち点を獲得した。
 高瀬が「追いついた後に勝ち越すチャンスもあったし、実際に瀬川のヘディングなど、ああいうところをチームとして決めきれないと、上にはいけない」と強調したように、試合内容を考えると勝ち点1では物足りないかもしれない。だが、3試合負けなしでチーム状態が上向いていることも事実。試合後、選手たちは「今までこういう試合展開で勝ち点を取れなかったので、きょうはチームとしての成長を感じることができた」(高瀬)、「追いつくことができたことは大きい」(坪内秀介)と手応えを口にした。
 結果、内容ともに改善が見られ、チームが前に進む中、次節ホームで迎え撃つのは首位・札幌。今のチーム力を試すには絶好の相手だ。「強い相手であることはわかっているが、うちはチームとして戦っていきたい。勝てば必ず勢いが出るし、ぜひ勝ちたい」と坪内。言葉通りの結果をつかみ、シーズン後半戦での巻き返しにつなげたい。



【結果】
ザスパクサツ群馬 2−2 V・ファーレン長崎 

会場:長崎県立総合運動公園陸上競技場

6月19日(日)18時00分キックオフ
前半 1−0
後半 1ー2

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160619.html
をご覧下さい。

本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
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