2016年06月11日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第17節ギラヴァンツ北九州戦

試合レポート

 会心の勝利だった。6月8日に行われたJ2第17節。2連敗中のザスパは、アウェーで最下位北九州と対戦し、瀬川祐輔のクラブ史上二人目となるハットトリックで3―0で勝利した。今季初のアウェー戦勝利に、服部浩紀監督は「チームが苦しい状況の中、選手が自分たちのことを信じて最後まで戦い抜いてくれたこと、走り続けてくれたことが最大の勝因」とたたえた。
 降格圏との勝ち点差が縮まり、チーム内の危機感が高まる中、前節愛媛戦から中3日という過密日程で迎えた一戦。チームにとって瀬戸際のゲームだった。服部監督は愛媛戦からスターティングメンバーを一人変更。マテウスをベンチ外とし、小牟田洋佑を第11節山口戦以来のスタメン起用とした。
 試合は立ち上がりからザスパペースとなった。第13節横浜FCで見せたハイプレスが復活。北九州の選手たちを全く自由にプレーさせず、素早い切り替えからカウンターを仕掛け、流れをつかんだ。
 そして12分、チームを牽引する若手二人が先制ゴールを呼び込んだ。ハーフウェーライン付近でボールを持った左サイドバックの高瀬優孝が、前線で連動して動き出した瀬川にロングパス。相手DFの背後を取った瀬川がジャンプしながら絶妙なトラップでボールをコントロールすると、左足へ切り返して相手DFのバランスを崩し、狙いすましたシュートでゴールネットを揺らした。
 その後、反撃する相手に押し込まれる場面もあったが、守備陣が体を張った守備で対応。粘り強く守り、再び流れを引き寄せた。
 折り返し間際の43分、狙い通りのサイドを起点としたカウンターでリードを広げた。自陣でボールを奪うと、チーム全体が勢いを持って走り出し、カウンターを発動。ボールを持った高瀬が左サイドからアーリークロスを送ると、PA内中央で待ち構えた瀬川が打点の高いヘディングで合わせ、2点目のゴールを奪った。
 2点リードで迎えたハーフタイムでは、服部監督が「2―0が一番危ないゲーム」と強調。選手たちも気を引き締め直し、残りの45分間に向かった。
 後半、北九州がスタートから一気に二人のメンバー変更を行った影響か、立ち上がりから押し込まれる展開となった。12分にはズルズルとDFラインが下がり、バイタルエリアのマークが甘くなって枠内にミドルシュートを被弾。14分にはサイド攻撃からヘディングシュートを許した。35分にもサイド攻撃からヘディングシュートを打たれると、41分にもPA内で危ない場面を招いた。
 しかし、絶対にゴールは許さないザスパ。2点リードの余裕もあり、ピンチにもGK清水慶記を中心に落ち着いて対応した。
 そしてアディショナルタイム。またしても高瀬、瀬川のコンビが、この試合最後の見せ場をつくった。
 北九州のCKを跳ね返すと、こぼれ球が高瀬の前に。同時に自陣PA内から瀬川が猛然とダッシュすると、高瀬がスペースに浮き球のパスを配給した。スピードを生かし、相手GKより一歩早く瀬川がボールに触ってGKを交わすと、相手DFの厳しいマークをかいくぐり、最後は無人のゴールに冷静にボールを蹴り込み、ハットトリックで試合を締めくくった。
 2012年9月23日、J2第35節山形戦での小林竜樹以来、クラブ史上二人目となるハットトリック。瀬川だけでなく、その影で3得点全てをアシストした高瀬の活躍も光った。「ハットトリックは、大学時代も一度もないので、素直にうれしい。ただ、これをもっと上位のチームに対してできるようにならないといけないし、毎試合点を取ることを意識して、これからも結果にこだわっていきたい」と瀬川。3試合ぶりの勝利となったが、チームとしても順位は20位と下位に沈むだけに、浮かれている場合ではない。坪内秀介は「勝ったからといって、毎試合課題はあるし、そういうところもしっかり見つめ直し、修正していかなくてはいけない」と強調する。
 ただ、第15節清水戦での大敗、前節愛媛戦の逆転負けと、ダメージの大きい2連敗の悪い流れを止めたことは事実。この流れを継続し、次節熊本戦で連勝することで、シーズン後半戦に向けた巻き返しをスタートさせたい。



【結果】
ザスパクサツ群馬 3−0 ギラヴァンツ北九州 

会場:北九州市立本城陸上競技場

6月8日(水)19時00分キックオフ
前半 2−0
後半 1ー0

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160608.html
をご覧下さい。

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