2016年05月27日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第14節徳島ヴォルティス戦

試合レポート

 闘志が伝わる熱い戦いで、勝ち点1をもぎ取った。J2第14節アウェー徳島ヴォルティス戦。ザスパは前半にCKから失点するも、後半に高橋駿太のゴールで追いつき、終盤まで相手を苦しめてドロー。連勝こそ果たせなかったが、アウェーで価値ある勝ち点1を獲得した。服部浩紀監督は「アウェーで勝ち点1を取れたことは大きい」と選手の奮闘をたたえた。
 前節、ホームでの横浜FC戦に3―1で勝利し、11試合ぶりの白星を手にしたザスパ。長いトンネルを抜け、明るい兆しが見えつつある中で迎えた今節は、下位争いから脱却するためにも、結果だけでなく内容にもこだわりたい試合だった。
 横浜FC戦で見せた前線からの激しいプレスを軸にした戦いを今節も継続するのか。その答えはスターティングメンバーを見た時点ではっきりとしていた。前節からスタメンの変更はなし。服部監督は「鬼プレス」戦術の継続を選択した。
 試合は服部監督の「前節、いい形で勝てて、その流れを大事にして今日の試合に入り、前半から積極的にいった」という言葉通り、立ち上がりからザスパが球際で厳しくいき、気迫を前面に出して戦った。前節同様、瀬川祐輔と山岸祐也の大卒ルーキーコンビが粘り強く相手にプレッシャーをかけ続け、高い位置でボールを奪うと素早く攻撃に転じてカウンターを発動。チーム全体がその戦術を徹底し、時間とともに流れを掴んでいった。
 最初のチャンスは3分、セットプレーからだった。松下裕樹が右CKでストレート性のボールをファーサイドに蹴り込み、走り込んだ瀬川が頭で合わせてシュート。徳島の隙を突いたセットプレーでビッグチャンスとなったが、惜しくもシュートが枠を外れた。
 その後、押し気味に進めながらもあと一歩攻撃に迫力がなく、シュートまで至らないもどかしい展開。それでも流れはザスパのまま前半終盤に入った。
 すると、一発のカウンターから一転して流れが徳島へ。40分、徳島の鋭いカウンターはGK清水慶記のセーブで難を逃れたが、その直後の41分、CKからヘディングシュートを叩き込まれ、1点ビハインドで前半を折り返した。
 押し込みながらもワンチャンスを決められてリードされる嫌な展開。10試合勝ちなしの時期にチームならば、このまま反撃できずに敗れていたかもしれない。だが、前節から復調の兆しをつかみつつ今のチームは、ここから見せ場をつくった。
 後半開始からフルスロットルで反撃を開始。そして6分、チーム全体の連動した攻撃でゴールネットを揺らした。
 ハーフウェーライン付近右サイドで小林竜樹が中央へパス。これを受けた松下がワンタッチで前線に鋭いくさびパスを入れると、瀬川が2タッチで前を向き、スペースに走り出していた高橋駿太へスルーパス。相手GKと1対1になった高橋は、冷静にコースを狙って左足を振り抜き、同点ゴールを叩き込んだ。多くの選手が絡んで生まれた同点ゴールは、今シーズンのチームにはなかなか見られなかった連動した攻撃で、チームの成長を示すに十分なゴールとなった。
 その後、ホームの声援に背中を押される徳島の攻勢に合うも、体を張った粘り強い守備で勝ち越しは許さず。チーム全体の集中した守りが光った。
 逆に攻撃は、服部監督が「まだまだクロスやシュートといったフィニッシュの精度が悪い」と語ったように、敵陣深くまで入り込むシーンは多々あるも、シュート3本という寂しい結果が示す通り、同点ゴールのシーン以後は決定機を作ることができなかった。
 試合は1−1のまま終了のホイッスルを迎え、両チームが勝ち点1を分け合う結果となった。
 高橋が「アウェーで最低限の結果は出せたと思う。これまでだったら0ー1で負けていた試合だし、追いついての引き分けにできたのは、チームが成長している証」と強調したように、10試合勝ちなしの頃と比べれば、格段にチーム状態は向上しているだろう。試合後の選手の表情からも、試合内容に手応えを感じる様子が伝わった。
 だが、下位に沈む現状を変えるため、何よりも必要なのは結果だけ。高橋の「次は勝ちまで持っていけるようにしたい」という言葉通り、次節アウェー清水戦は勝ち点3を持ち帰り、チームに芽生え始めた自信を確固たるものにし、下位からの巻き返しを図りたい。



【結果】
ザスパクサツ群馬 1−1 徳島ヴォルティス

会場:鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム

5月22日(日)13時00分キックオフ
前半 0−1
後半 1ー0

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160522.html
をご覧下さい。

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