2016年04月14日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第7節京都サンガF.C.戦

試合レポート

 たった1本のセットプレーで勝ち点を逃した。J2第7節ホーム京都戦。ザスパは後半にCKから失った1点を取り返せず、今シーズン2度目の2連敗となった。試合内容は決して悪くなかっただけに、服部浩紀監督は「いい形でボール奪うシーンが多かったが、それをしっかりフィニッシュまで持っていくことができなかった。いい守備があってのいい攻撃だと思うが、その後、最後の部分でチャンスを掴めなかった」と肩を落とした。
 前節、アウェーでの水戸戦をミスからの1失点で落とし、4試合未勝利となったザスパ。停滞ムードを抜け出すためにも、ホームの今節は絶対に勝利が必要な大事な一戦となった。「チームが勝てていない中、リズムを変えたかった」という服部監督は、ブラジル人のマテウスと大卒ルーキーの山岸祐也をスタメンに抜擢。フレッシュな陣容で3試合ぶりのホーム戦に挑んだ。
 試合は前半、守備からリズムをつくるザスパがペースを握った。坪内秀介、川岸祐輔の寮CBを中心に落ち着いて守るザスパは、相手にボールを回されても焦らなかった。決定的なピンチはなく、簡単にバイタルエリアに入らせない守備が光った。
 狙い通りに進んだ守備の一方、攻撃はリズムよく攻めながらもシュート0本に終わり、最終局面の迫力不足と精度のなさを露呈した。最大の決定機は43分、瀬川祐輔が右サイドを個人技で突破し、ライン際からPA内へマイナスのクロスを供給。待ち構えた高橋駿太が右足を振り抜いたが、ボールを捕らえることができず、空振りに終わった。
 スコアレスで前半を終え、後半に向けた準備を進めていたハーフタイム。ザスパのロッカールームにアクシデントが発生した。前半、前線でボールをキープし、攻撃のアクセントとなっていた初スタメンのマテウスが、ハーフタイム終了直前にまさかのプレー続行不可能を表明。急遽、永井雄一郎がピッチに飛び出していった。
 後半立ち上がり、準備不足の影響を感じさせない永井のいぶし銀のプレーで、いきなりザスパが決定機をつくった。自陣で松下裕樹がボールを奪い、永井へパス。永井が長い距離をドリブルしてカウンターを仕掛け、相手を引きつけた後、狙いすましてラストパスを送った。このボールに松下が走り込み、GKと1対1になったかと思われたが、追いついてきた相手DFの足がわずかに当たり、シュートは枠を大きく外れた。
 なんとしてもゴールが欲しいザスパは、6分にもビッグチャンス。自陣からのロングボールを敵陣PA付近で小牟田洋佑が競り勝ち、ボールがPA内にこぼれると、瀬川が粘って混戦に。小牟田も絡んでボールを収めると、最後は瀬川が右足でシュートを放った。しかし、これも枠を捕らえることができず。先制ゴールは生まれなかった。
 逆に京都は1発のチャンスをものにした。30分の左CK。途中出場の有田光希が頭で合わせて決勝点。ザスパはこの瞬間だけ集中を切らしたのか、有田のマークが緩く、痛恨の失点を喫した。
 ビハインドを背負ったザスパは、残り時間を必死に攻めた。終盤には瀬川と相手選手が交錯して負傷。交代枠を使い切っていた京都が10人でプレーする状況にもなったが、数的優位を生かすことはできなかった。川岸を前線に入れてパワープレーに出るも、ロスタイムに高瀬優孝の右足シュートがポストを襲っただけ。追いつくことはできず、終了のホイッスルとなった。
 今季2度目の2連敗。開幕2戦の2連勝以降、これで5試合連続勝利なしと苦しい状況が続く。それでも服部監督は「選手が本当にハードワークしてくれているし、やるべきことをやってくれている」と選手をたたえ、「ことしのチームはロッカールームでの雰囲気の作り方も、こちらが何も指示しなくても自分たちでいい雰囲気を作ってくれる。あとは結果を出せば一つ壁を超えられると思う。前節はミスからの1点、今節はセットプレーからの1点。上に行くチームはこういう失点がないだろうし、自分たちでこの苦しい状況を変えていくしかない」と強調する。
 服部監督の言葉通り、現状を変えることができるのは自分たちしかいない。「開幕2戦で勝つことができたけど、J1を目指すなら強いチームにもしっかり勝っていかないといけないし、そのためにももっと全員がボールを積極的に受けに行かなくてはいけない」と瀬川。次節、ホーム岡山戦は、これまで以上にがむしゃらに、積極的に戦い、6試合ぶりの勝利で浮上のきっかけをつかみたい。
 


【結果】
ザスパクサツ群馬 0−1 京都サンガF.C.

会場:正田醤油スタジアム群馬

4月9日(土)16時00分キックオフ
前半 0−0
後半 0−1
入場者数:4160人

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