2016年03月24日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第4節カマタマーレ讃岐戦

試合レポート

 痛すぎる敗戦だった。J2第4節ホーム讃岐戦。強烈な北風が吹き荒れる中で行われた一戦で、ザスパは前半のリードを守りきれず、1―2で敗れた。開幕2連勝の貯金が消え去る2連敗。服部浩紀監督は「2点目を取れなかったことが今日の勝負の分かれ目」と敗因を挙げた。
 前節C大阪戦でリーグ屈指の戦力を誇る相手に善戦しながらも、芸術的なゴールによる1失点に泣き、今季初黒星を喫したザスパ。順位を4位に落とし、3位讃岐との上位対決となる今節は絶対に落とせない一戦となった。
 節目の重要なゲーム。服部監督はC大阪戦の前半に負傷した一柳夢吾に代わり、右サイドバックに石川大徳を起用。それ以外は開幕戦から3戦連続で同じスターティングメンバーを選択した。
 強風が吹く中、キックオフ前のコイントスで選択権を得た坪内秀介主将は、前半に風上となるエンドを選択。服部監督は「最初から積極的に行って自分たちのリズムで戦いたいという考えだった。前節のセレッソ大阪戦で、少し受け身になる状況があったので、少しでも最初から勢いを持って戦うため」と意図を説明した。
 その狙い通り、追い風に背中を押されたのか、ザスパは立ち上がりから押し気味にゲームを進めた。最初のチャンスは8分、左サイドを起点に攻撃を組み立て、高瀬優孝のクロスにニアサイドで常盤聡が合わせてヘディングシュート。惜しくもサイドネットを揺らすにとどまったが、リズムのいい攻撃で相手ゴールに迫った。
 攻勢を強めるザスパ。21分には右サイドから松下裕樹が逆サイドにロングボールを送ると、小牟田洋佑が潰れ、その裏に流れたボールを高瀬がトラップ。左足で強烈なシュート性のクロスを放った。中央で合わせる選手はいなかったが、触ればゴールというきわどいプレーだった。
 直後の22分、一発のカウンターからピンチとなった場面は、GK清水慶記のセーブで難を逃れた。
 そして迎えた31分、待望の瞬間が訪れた。自陣でボールを奪った瀬川祐輔が、一度小牟田に当て、ワンタッチで帰ってきたボールを前線へ供給。これがうまく相手DFの裏に通り、スピード自慢の高橋駿太が抜け出して右サイドからクロス。中央で待つ常盤がワントラップから左足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。
 その後、風上ながらも追加点を奪えずに時間が経過。1点リードで折り返した。
 前半から一転し、風下となった後半、ザスパは立ち上がりにビッグチャンスをつくった。
1分、自陣左サイドでボールを奪った高橋が瀬川へパス。ワンタッチのコンビプレーから中央に切り替えると、常盤を経由し、最後は相手PA内までオーバーラップしてきた石川にラストパスを送った。タイミングを計り、思い切り右足を振り抜いた石川のシュートは相手DFに当たってゴール方向へ。GKがわずかに触れたが、そのままゴールに吸い込まれるかに思われた。しかし、結果はクロスバーに当たり、追加点にはならなかった。
 このチャンスを逃すと、その後は徐々に自陣でプレーする時間が長くなっていった。前半に比べて風速も上がったように感じる中、クリアボールが自陣に押し戻される場面もあるなど、苦しい状況が続いた。8分にはバイタルエリアから枠内にシュートを打たれるピンチ。この場面は清水のビッグセーブに助けられたが、その後のピンチを耐え切ることはできなかった。
 31分、強烈な向かい風が気になったのか、自陣PA内でボールを持つ清水がセンターバックの川岸祐輔にショートパス。ボールを受けた川岸が中盤にボールをつなごうと縦パスを送ると、これをカットされ、一気にピンチになった。
 32分、この流れから自陣右サイドで起点を作られ、最後はPA内右サイドで相手をフリーにさせると、狙いすましたシュートで同点ゴールを奪われた。
 自分たちのミスが重なって許した失点。気落ちしたチームは悪い流れを立て直すことはできなかった。33分から3本連続してCKを許すと、35分となったその3本目。ニアサイドにきたボールを跳ね返せずに中央へ流すと、小牟田に当たって自陣のゴールに吸い込まれ、痛恨の逆転ゴールをなった。
 その後、36分に小林竜樹、39分に大卒ルーキーの山岸祐也、41分にイム・チョンビンと立て続けに交代選手を送り込んで流れを変えようと試みたが、時すでに遅し。イムの懸命な前からのチェイシングも虚しく、終了のホイッスルを迎えた。
 結果的に風上の状況でより多くの得点を奪ったチームが勝利した試合となった。服部監督の言葉通り、前半に追加点を奪えなかったことが最大の敗因だ。その上で、坪内が「自分たちのミスから失点してしまった。2失点目はセットプレーだったし、本当に残念なゲームになってしまった」と振り返ったように、ミス絡みの失点も反省すべきだろう。
 開幕2連勝の上昇ムードは消え去った。坪内の「選手、スタッフ、チーム全員が危機感を持ってやらないといけない。まだ4試合だが、もう4試合が終わってしまった。それを認識して、しっかり結果をのこしていかないといけない」という言葉が、チームの状況を物語る。
 2勝2敗のイーブンな状況からどちらに進むのか。次節のアウェー千葉戦の結果が、今後のチームの行方を左右する。



【結果】
ザスパクサツ群馬 1−2 カマタマーレ讃岐

会場:正田醤油スタジアム群馬

3月20日(日)14時00分キックオフ
前半 1−0
後半 0−2
入場者数:3195人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160320.html
をご覧下さい。

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