2016年03月10日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第2節ツエーゲン金沢戦

試合レポート

 大勝した開幕戦から一転、押し込まれる時間の長い苦しい試合だった。それでも最後に笑ってみせた。チーム一丸となった粘りの戦いで、7年ぶりの開幕2連勝を飾った。
 服部浩紀監督は2試合連続で同じメンバーをスタートからピッチに送り出した。4―0で勝利した開幕戦の勢いそのままに、序盤から攻勢を強め、ペースを握るつもりだったのだろう。だが、そう簡単には行かなかった。
 金沢のキックオフからのファーストプレー、いきなりバイタルエリアへの縦パスを許し、CKを献上。昨季、数多くの得点をセットプレーから生み出してきた金沢に、いきなりチャンスを与えた。2分にも自陣でのミスからのボールロストし、バイタルエリアでファウル。ともに失点にはつながらなかったが、わずかな時間で2度のセットプレーを与える不安定な立ち上がりとなった。
 それでも前線からの連動した守備で徐々に流れを引き寄せると、10分に相手のクリアミスを拾った高橋駿太がファーストシュート。13分には右サイドを深くえぐった瀬川祐輔がクロスを供給すれば、続けて逆サイドから高瀬優孝もクロス。特に瀬川は14分にも右サイドでドリブル突破を見せるなど、開幕戦に続いて攻撃を牽引した。
 両チームとも攻守の切り替えが早く、ゲームはスピーディーな展開に。ザスパは22分、松下裕樹のロングボールに高橋が反応して裏へ抜け出すと、最後は小牟田洋佑がPA内で惜しいチャンスを得た。26分には前線でのプレスからボールを奪い、瀬川が右サイドからクロス。28分にも右サイドから常盤聡が惜しいクロスを送るなど、立て続けに敵陣深くまで入り込んだ。29分には瀬川のCKを高橋が直接ボレーシュート。時間とともに相手ゴールに迫った。
 待望の時間は32分だった。敵陣で高橋がスライディングでボールを奪うと、瀬川が緩急を付けたドリブルで右サイドをライン際まで突破。右足を振り抜いて鋭いマイナスのクロスを送ると、中央で待ち受けた高橋が力強いヘディングでゴールネットを豪快に揺らした。
 ゴール後のパフォーマンスでは、第2子となる長女が誕生したばかりの青木良太を祝うべく、ベンチ前でゆりかごパフォーマンス。チームがひとつにまとまっている様子を象徴するシーンだった。
 大事な得点後の時間帯。36分、自陣でFKを与えると、これが大ピンチとなった。37分、一度やり直してからのFKで自陣PA内のマークが甘くなり、フリーでシュートを許した。枠内に飛んだ相手のシュートに、多くの観客が同点ゴールを予感した瞬間、GK清水慶記が鋭い反応で横っ飛び。間一髪、ライン上でボールをキャッチし、失点を免れた。
 守護神のスーパーセーブでピンチを脱すると、次にチャンスを得たのはザスパだった。42分、敵陣でボールを奪った舩津徹也が、自らドリブルでバイタルまで侵入し、右足を一蹴。ボールは矢のような軌道でゴールに向かうと、ファーサイドのゴールポストを叩いてネットに吸い込まれていった。
 開幕戦同様、前半だけで2点のリード。押せ押せムードになるかと思われたが、ここから違った展開が待っていた。前半終了間際のロスタイム、自陣での相手のロングスローを一度はクリアするも、2次攻撃でマークが甘くなり、今季初失点。2−1で折り返した。
 嫌な流れで前半を終えると、後半は金沢の反撃を受ける苦しい展開が待っていた。2分に瀬川がクロスバーに当たる惜しいシュートを放つなど、序盤は相手陣内でプレーする機会も多かったが、時間とともに金沢ペースに。4分、6分、8分と立て続けに危ないピンチを招いた。金沢の決定力不足にも助けられ、なんとか1点リードを維持。終盤に入ると前線と最終ラインの距離が間延びし、相手にボールを握られる状況が続いたが、チーム一丸となってゴールを死守。危ない場面は多々あったが、体を貼ってシュートをブロックするなど、粘りの守備でしのいだ。
 圧勝した開幕戦と違い、苦しんで手にした勝ち点3。服部監督は「選手が最後まで我慢強く戦ってくれた。自分たちが我慢して、しっかりブロックをつくって戦う形だったが、こういう戦い方ができて勝ちきれると、チームとして自信になる」と強調した。松下も「これまでは大事な試合を落としてしまってきたし、こういうゲームをものにできるようになったことは成長の証」と手応えを話した。
 試合内容に差はあるが、開幕2連勝という最高の結果が、ここまでのチームづくりが成功している何よりの証だろう。「連勝中のままセレッソとやれるので、高い意識を持って戦い、3連勝したい」とキャプテンの坪内秀介。今季初のアウェー戦となる次節は、J2屈指のメンバーが揃うセレッソ大阪が相手。芽生え始めた自信を確信に変えるためにも、チームの真価が問われる一戦となる。



【結果】
ザスパクサツ群馬 2−1 ツエーゲン金沢

会場:正田醤油スタジアム群馬

3月6日(日)14時00分キックオフ
前半 2−1
後半 0−0
入場者数:3236人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160306.html

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