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2015年09月21日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第32節ファジアーノ岡山戦

試合レポート

 チーム状態の悪さを露呈した黒星だった。J2第32節アウェー岡山戦。攻守で精彩を欠いたザスパは0−3で完敗し、リーグ戦3連敗となった。凡ミスが多く、自分たちでリズムを崩す試合展開に、服部浩紀監督は「やらなくてはいけないことが全くできていなかった」と嘆いた。
 前節東京V戦で3失点を喫したザスパは、DFラインを2人変更。センターバックのDF青木良太に代えてDF乾大知、右サイドバックのDF小柳達司に代えてDF久富良輔をスタメンとし、メンバーチェンジによって不安定な守備のてこ入れを図った。ボランチではMF坂井洋平に代わってMFアクレイソンをチョイス。トップ下には前節同様にMF黄誠秀を置くなど、中盤から前線にも守備力のある選手を起用し、守りからリズムをつかんで連敗中の苦しいチーム状況を脱しようと試みた。
 だが、狙い通りにはいかなかった。試合は立ち上がりから岡山ペース。ザスパは相手の出足の鋭さを受けて後手に回り、自陣に押し込まれる状況が続いた。1分、3分、6分と連続して自陣左サイドの裏を取られ、危ない場面を招いた。8分には枠内にミドルシュートを被弾。不安定な試合の入りで流れをつかめなかった。
 攻撃はMF小林竜樹とMF吉濱遼平の両サイドアタッカーが、10分過ぎまでにそれぞれミドルシュートを放ったが、破壊力はなし。前線の連係が今一つで、単発なプレーが目立って自滅するシーンが多かった。16分に吉濱がカウンターを仕掛けるも、ラストパスと黄誠秀の動き出しが合わず、決定機にはならなかった。
 我慢の展開の中、ボランチのMF松下裕樹を中心に懸命に守る苦しい時間が続いた。23分には、相手のCKからの2次攻撃で枠内に強烈なシュートを被弾。ここはDF小林亮が何とか足を延ばしてクリアし、事なきを得た。28分にも中盤での寄せが甘くなり、ロングシュートを許した。30分には自陣左サイドのFKからヘディングシュートを許すと、枠内に飛んだボールをGK富居大樹がファインセーブ。必死にゴールを死守する中、攻撃陣の奮起が待たれた。
 だが、ちぐはぐな攻撃はいっこうに改善されなかった。カウンター以外チャンスらしいチャンスはなく、全く活路を見いだせなかった。
 36分、もう我慢し切れなかった。敵陣で黄誠秀がボールを失うと、一気に前掛かりになっていた逆を突かれた。岡山のロングボールに懸命に戻ったDF有薗真吾が対応するも、ヘディングでのクリアを岡山FW押谷祐樹に拾われた。PA内で起点をつくられると、走り込んできた岡山FW伊藤大介を誰もマークせず。グラウンダーの強烈なシュートでネットを揺らされ、先制点を献上した。
 直後の37分、さらにリードを広げられた。斜めに走る選手のマークがはっきりせず、スルーパスから裏へ抜け出され、マイナスのクロスを許した。これは富居が足で跳ね返すも、PA内でこぼれ球を拾われ、万事休す。松下らが懸命に足を延ばすも、岡山MF矢島慎也のループシュートがゴールに吸い込まれた。
 前半だけで2点のビハインドを背負う苦しい試合。ロッカールームに戻った選手たちは、必死に互いを鼓舞した。「やるしかない」。もう一度気持ちを奮い立たせ、再びピッチに向かった。
 かみ合わない攻撃を修正するため、服部監督は後半開始から黄誠秀に代えてMFウーゴを投入。前節東京V戦で移籍後初出場を果たしたブラジル人助っ人に、攻撃のけん引役を期待した。
 この交代でリズムが変わり、敵陣でのプレー時間が増えたザスパ。後半からトップ下に入った吉濱が3分に枠内へ強烈なシュートを放つなど、徐々に攻撃の糸口をつかみ始めた。9分には、バイタルエリアでウーゴの落としから吉濱が強烈なボレーシュート。17分には左CKからウーゴがヘディングシュートを放つなど、時間とともに岡山ゴールに迫っていった。
 反撃に向け、さらに攻撃の迫力を増そうとしていた21分、決定的な3点目を献上した。中盤でのマークが甘く、狙いすました浮き球のラストパスを通され、簡単にDFラインの裏を突かれて失点。不安定な守備はまたしても改善できなかった。
 アディショナルタイムを含めた残り約30分間、何とか一矢報いようと懸命に攻めるも、ゴールが遠いザスパ。焦りからか後半序盤のリズムの良さも消え、ミスばかりが目立っていった。逆にあわや4失点目という場面も多くつくられるなど、最後まで悪い流れを変えることはできなかった。
 終了のホイッスルを聞き、うつむいた選手たち。シーズン終盤となり、本来は1年間の積み上げでチーム力を発揮する時期なだけに、攻守ともに課題が山積するチーム状態は深刻だ。特に2試合連続の3失点と守備が崩壊。この日の失点の形はいずれも同じようにDFラインの裏を突かれるなど、修正力のなさがチームの未熟さを露呈する。攻撃もカウンターでは迫力を感じるものの、相手の人数がそろうとなすすべがなく、中途半端な位置でボールを失って逆にピンチとなる悪循環に陥っている。「サッカーの内容をもっと考えなければいけない。チームとしての積み上げ、選手一人一人が成長できるようなサッカーを追求し、戦っていかないといけない」と松下。早急にもう一度チームとしての戦い方を見つめ直す必要があるだろう。
 服部監督が「私自身も含め、次の試合までにしっかり気持ちを切り替えなければいけないし、その上で修正すべき点をしっかり修正しなくてはいけない」と強調する。次の試合までに与えられた時間は少ないだけに、どこまで課題を修正することができるか。指揮官の手腕も試されている。
 岡山まで駆けつけたサポーターは、試合後もしばらくチームを鼓舞し続けた。その気持ちに絶対に応えなければならない。「この苦しい状況は必ず終わるし、終わらせなくてはいけない。サポーターのためにも次の試合で必ず勝ち点3をつかみ取りたい」とウーゴ。その言葉通り、次節ホームでの磐田戦は、スタジアムに勝利の草津節を響かせたい。



【結果】
ザスパクサツ群馬 0‐3 ファジアーノ岡山

会場:シティライトスタジアム

9月20日(日)13時00分キックオフ
前半 0−2
後半 0−1

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150920.html
をご覧下さい。

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