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2015年07月14日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第23節ジェフユナイテッド千葉戦

試合レポート

 チーム一丸となった粘りの戦いで大きな1勝を手にした。敵地千葉・フクダ電子アリーナでの第23節。ザスパは4位千葉に多くの時間帯でボールを保持されたが、しぶとい守りから流れを引き寄せ、少ないチャンスを確実に決めて快勝した。順位を14位に上げ、プレーオフ圏内6位との勝ち点差を8とした。服部浩紀監督は「90分間、足を止めることなく戦い続けてくれた選手たちを誇りに思う」とたたえ、会心の勝利を喜んだ。
 前回第16節の戦いでは、ルーキーMF江坂任の2ゴールで千葉を2−0で退けたザスパ。前回は前半に相手が退場者を出したこともあり、比較的優位に試合を進めて勝利をつかんだ。今節は千葉のホームでの試合となる上、千葉が雪辱に燃えていることも想像に難くなく、DF小林亮は「苦しい試合になることはわかっていた」と話す。
 守備的な戦いになることを想定し、服部監督が送り出したスターティングメンバーは前節から2人が変更。ボランチのMFアクレイソンが9試合ぶりに先発し、トップ下にはMF黄誠秀が入った。
 千葉サポーターの大声援が響き渡るスタジアム。ザスパはキックオフ前のコイントスでMF松下裕樹主将がエンドの交代を選択した。これにより、両チームとも前半に自分たちのサポーターに向かって攻めることとなった。服部監督は「後半にホームのサポーターの力を利用しにくい状況にできた」と狙いを説明。千葉にホームの勢いを出させないよう、キックオフ前から綿密な計画を立てていた。
 試合は予想通りの千葉ペース。ザスパは開始わずか1分であわや失点という場面を作られるなど、押し込まれる試合となった。だが、戦前からチームとして我慢の戦いを想定していただけに、苦しい展開にもしぶとく耐えることができた。時間とともにボールを奪った後の切り替えのスピードが上がり、15分過ぎからはカウンター攻撃がはまりはじめ、徐々に相手ゴールに迫っていった。
 ボールを保持して攻め込む千葉に対し、しぶとい守備からカウンターを仕掛けるザスパ。両チームの戦術が明確になってきた前半30分過ぎ、先にゴールネットを揺らしたのは、まさに狙い通りのカウンターで一気に相手ゴール前まで攻め込んだザスパだった。
 32分、自陣PA付近の右サイドでボールを奪うと、MF吉濱遼平が黄誠秀とのパス交換からリズムに乗り、ドリブル突破で一気に敵陣バイタルエリアまで侵入してラストパス。これにアクレイソンが反応し、相手DFのタックルを受けながらも右足でシュートを試みると、ボールは相手の足に当たって左サイドへ。こぼれ球が待ち構えた江坂の元へ転がり、江坂が相手GKとの1対1を冷静に流し込んで先制ゴールを奪った。エンドの交代により、自分たちのサポーターが陣取るスタンドの目の前で奪った先制ゴール。江坂はもちろん、吉濱とFW野崎桂太も加わり、ゴール裏のサポーターの元に向かって喜びを分かち合った。
 勢いに乗るザスパは直後にも同じようなカウンターで決定機。黄誠秀がPA内まで侵入し、フリーで待つ野崎めがけてラストパスを狙った。ボールは惜しくも相手DFのクリアにあったが、パスが通れば追加点となる決定的な場面だった。
 1点リードのまま前半を終了。ハーフタイムのロッカールームでは、積極的に修正点を話し合う選手同士の姿が目立った。服部監督も「まだ終わっていない。ここからだ」と選手を鼓舞。さらに「1点取られてもまだ同点だ。焦らず、もう一度しっかりやるべきことをやっていこう」と気を引き締めた。
 勝利まで残り45分。勝負の後半も内容は変わらず、相手ペースの苦しい時間が続いた。ザスパは引き続きしっかりとしたブロックを敷き、体を張った守備で相手の攻撃を跳ね返す我慢の展開となったが、攻め込まれても集中した粘り強い守りでゴールを守った。
 だが、最近6試合連続して失点しているザスパ。圧倒的に攻め込まれる状況で、耐えきるのは難しかった。18分、自陣右サイドでアクレイソンが与えたFKから、千葉MFネイツ・ペチュニクにヘディングシュートを決められ、同点。7試合連続となる失点を喫した。
 追いついて勢いづく千葉は、その後も立て続けに決定機を演出。あと一歩で勝ち越しという場面を何度もつくった。だが、ザスパの守護神GK富居大樹が立ちはだかった。度重なるピンチにも、ビッグセーブを連発。枠内に飛んだシュートを何度もはじき返した。追いつかれた後の10分間、何度、肝を冷やされたことか。富居の好守で苦しい時間帯をやり過ごすと、守護神の踏ん張りにムードメーカーの若きアタッカーがスーパーゴールで応えた。
 28分、敵陣バイタルエリアで途中出場のMF小林竜樹とパス交換した吉濱が、数タッチして体勢を整えると、ゴールから30メートル近く離れた位置で左足を一閃。低い弾道のボールは相手DFにはじかれることなくゴールに迫り、相手GKの手もかわすと、吸い込まれるようにサイドネットに突き刺さった。「相手のラインが下がっていたので、思い切って打った」と吉濱。試合中、何度も同じエリアでスルーパスを狙ってきただけに、相手DFもパスのイメージが強かったのか、プレスが甘くなった一瞬の隙を逃さず、鮮やかに左足を振り抜いた。
 残り時間はアディショナルタイムを含めて約20分。ザスパは何度もゴールを脅かされた。そのたびに体を張って跳ね返した。終盤には途中出場のMF永井雄一郎も最終ラインに入って守備に奔走するなど、チーム一丸となって守り続けた。そして、アディショナルタイムも3分が経過し、相手のCKからのヘディングがラインを割ったところで、待望のホイッスル。静まりかえった千葉サポーターとは対照的に、ザスパサポーターの歓喜が爆発した。
 8123人の観客のうち、大半が千葉サポーターだったことは間違いない。ただ、時間とともにザスパサポーターの声援がスタジアムで存在感を示していった。吉濱のゴールで勝ち越してからの20分間、選手はどれだけサポーターの応援に勇気をもらい、背中を押されたか。小林亮の「アウェーまで駆けつけてくれたサポーターの応援もすごく僕らの背中を押してくれました。本当にきょうはみんなで一つになって勝ち取った勝利だと思います」という言葉、そして試合後、湯もみ板を持って踊る服部監督を中心に選手とサポーターが喜びを分かち合う光景が、すべてを物語っていた。
 千葉にはこれで今季2戦2勝。前半戦を振り返ればアウェーでC大阪や磐田といった強豪チームも破ってきただけに、チームに力があることは間違いない。下位や中位のチームを相手にふがいない試合をしてしまう悪癖が改善できれば、後半戦での上位浮上も夢ではないはずだ。
 最近4試合を2勝2分けの負けなしで過ごし、チームは上昇気流に乗り始めた。この流れを途絶えさせないためにも、「次の栃木戦が本当に大切になる。前回、すごく悔しい思いをさせられたし、やり返してやるという強い気持ちで戦うことが必要。自分たちのホームで、5点奪い返してやるくらいの気持ちで戦わなくてはいけない」と吉濱。次節ホームでの北関東ダービー栃木戦は、勝利が絶対条件だ。



【結果】
ザスパクサツ群馬 2‐1 ジェフユナイテッド千葉

会場:フクダ電子アリーナ

7月12日(日)19時00分キックオフ
前半 1−0
後半 1−1

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150712.html
をご覧下さい。

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