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2015年06月15日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第18節ファジアーノ岡山戦
試合レポート
今後への可能性を感じるドローゲームだった。ザスパはホームで岡山と1―1で引き分け、勝ち点1を獲得して14位を維持。前節のアウェーでの大敗のショックを払しょくする、内容の濃いゲームとなった。服部浩紀監督も「しっかり仕留めなければいけなかった」と勝ちきれなかった悔しさを語りつつ、「きょうはやるべきことがある程度徹底してできていた」とチームの出来に手ごたえを感じていた。
前節、アウェーでの栃木との北関東ダービーで、1−5という屈辱の黒星を喫したザスパは、悪いイメージを打ち消すべく、スターティングメンバーを5人入れ替えた。FWカイケとMF坂井洋平が今季初先発を果たすなど、フレッシュな陣容で試合に臨んだ。
立ち上がりに押し込まれ、流れを明け渡した前節を反省し、試合前のロッカールームでは服部監督を中心にスタッフ陣が熱い言葉で選手を鼓舞。選手も集中力を高めてピッチに飛び出し、強い気持ちを序盤から表現した。
出足の鋭いザスパは、立ち上がりにいきなりビックチャンスを作った。2分、カイケの浮き球パスを相手DFが頭ではじき返すと、中途半端なクリアボールにMF吉濱遼平が素早く反応。3人の相手選手に囲まれながらもPA内に侵入し、左足を思い切り振り抜いた。GK正面に飛んだ強烈なシュートはゴールネットを揺らすことはできなかったが、第10節讃岐戦以来のスタメン出場となった吉濱の軽快な動きは、チームを勢いづかせるに十分だった。
吉濱は6分にも相手DFラインの裏への飛び出しで好調をアピール。オフサイドにはなったものの、ゴールを奪いたいという気迫を感じさせた。
吉濱に負けず、この試合に懸ける強い思いを発揮したのが、今季初スタメンのカイケ。9分にわずか2タッチで2人をかわし、左サイドを突破してクロス。得意のドリブルでスタジアムを沸かせた。さらに16分には、こぼれ球を思い切って右足でロングシュート。GKのファインセーブにあってゴールにはならなかったが、しっかりと枠をとらえる強烈なシュートを放った。
いい流れの時間帯が続く中、一つのミスで状況が一変した。29分、自陣でMF小林竜樹のパスがずれ、相手にボールを奪われると、一気に左サイドを突かれた。PA内でのDF有薗真吾のスライディングもかわされ、最後は相手FW矢島慎也のクロスボールがDF小林亮の体に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれていった。
自分たちのミスで与えた先制点。嫌な流れを、売り出し中の若手コンビがわずか数分で打ち消した。32分、バイタルエリアでFW江坂任が粘ると、近い距離でパスを受けた吉濱がスピードアップ。一気にDFラインを突破し、グラウンダーの強烈なシュートで鮮やかにネットを揺らした。
これまでアシストは記録するも、どうしてもゴールという結果をつかめなかった吉濱にとって、待望のザスパ移籍後初ゴール。「1点取ってホッとした」というムードメーカーの価値ある同点ゴールで、試合は振り出しに戻った。
試合は同点のまま後半へ。ザスパはホームで勝ち点3を奪うべく、さらに前への意識を高めて戦った。前半同様、吉濱が攻撃の核となり、多くのチャンスを演出。相手ゴールに迫力を持って迫った。
後半最初のビッグチャンスは31分。自陣でボールを奪った吉濱が長い距離をドリブルしてバイタルエリアまで侵入。左足でシュートすると、相手DFにブロックされたボールが小林竜樹の前にこぼれた。小林竜樹は広く空いたシュートコースをめがけ、ダイレクトで右足を一閃。枠をとらえたシュートは惜しくもGKに阻まれた。
ザスパはその直後、34分にも決定機。人数を掛けた攻撃で相手ゴールに迫ると、最後は吉濱のミドルシュートのこぼれ球に、PA内に入り込んでいた坂井洋平が反応。体を投げ出して頭で押し込もうと試みるも、わずかに枠を外れた。
さらに38分には、PA内で吉濱が狙いすました左足シュート。あと一歩枠をとらえきれず、ボールはポストをかすめていった。
ザスパは最後まで攻撃の手を緩めることなく、どん欲にゴールを狙い続けた。続けざまに交代選手を投入し、勝利への執念を見せ続けたが、決定力不足が響き、勝ち越しゴールをうばうことはできなかった。
MF松下裕樹主将が「勝ちきれなくて本当に悔しい。勝たなくちゃいけないゲームだった」と語ったように、内容的にも勝ち点3を奪えなかったことは反省すべきだろう。ただ、ミスからの失点以外、大きく守備を崩されることなく90分間安定して戦い続けたことで、チームは一定の手ごたえをつかんだ。小林亮や有薗真吾ら守備陣が、試合の中で自分たちから課題を修正できたことを強調したように、臨機応変に対応できたことも安定した戦いにつながった。
また、試合後に多くの選手が口にしたように、この日はいつも以上にサポーターの声援が選手の背中を後押ししたことは間違いない。前節の大敗のショックを微塵も感じさせず、普段の何倍もの声量で迫力いっぱいの応援が繰り広げられたスタジアムだからこそ、選手は勇気を持って戦うことができた。服部監督が「すごく声が聞こえてきたし、何としても結果で応えたかった」と話したように、この日のようなサポーターとチームが一体となって戦っていく関係を継続していけば、必ず夢は拓けるはずだ。
この日得た勝ち点1を価値あるものに変えられるかは、次節の結果にかかっている。「やるべきことをやれば、最低限きょうのようなゲームができるし、ただ、それだけでは勝てない。もっともっとみんなでやらなきゃいけない」と松下。次節は再びホーム戦で、北関東ダービーだ。ライバル水戸を倒し、上位浮上のきっかけをつかみたい。
【結果】
ザスパクサツ群馬 1‐1 ファジアーノ岡山
会場:正田醤油スタジアム群馬
6月14日(日)19時00分キックオフ
前半 1−1
後半 0−0
入場者数:2312人
詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150614.html
をご覧下さい。
本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
TEL:027-225-2350 FAX:027-225-2355