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2015年06月02日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第16節ジェフユナイテッド千葉戦

試合レポート

 10メートル近い強風が吹き荒れ、広告看板や横断幕、両チームのベンチまでが撤去された正田醤油スタジアム群馬で、ザスパイレブンが躍動した。試合当日に23歳の誕生日を迎えたFW江坂任の2ゴールで、4位千葉に2−0で勝利。前節磐田戦に続き、J1経験チームから勝ち点3をもぎ取る勝負強さを発揮した。
 アディショナルタイムの勝ち越しゴールで劇的な逆転勝利を収めた前節磐田戦の勢いを生かし、服部浩紀監督は磐田戦と同じ先発メンバーを選択。試合は前半、風上に立ったザスパが強風を利用した攻撃で立ち上がりから攻め込んだ。
 開始直後こそ相手の勢いを受け、自陣でのプレーが続いたザスパだったが、時間とともに流れをつかんでいった。ファーストシュートは11分、ハーフウェーライン付近からMF松下裕樹主将が意表を突くロングシュート。枠には飛ばなかったが、ゴールに向かう強い姿勢をチームに印象付けた。13分にはMF永井雄一郎の浮き球のパスからMF小林竜樹が裏へ抜け出し、惜しいクロスを上げてゴールに迫った。
 積極的な攻撃で押し気味に序盤の時間帯を過ごすと、24分に思わぬ形で優位に立った。自陣左サイド、深い位置でDF小林亮が千葉FW森本貴幸に対応すると、森本の手が小林亮の顔をたたいたとしてイエローカードの判定。森本は15分にもイエローカードを受けており、2枚目となってレッドカードで退場となった。
 数的優位となり、一気に攻めに出たザスパ。34分にはMFオリベイラが右足で惜しいミドルシュート。38分には小林竜樹との連携からDF久富良輔が右サイドを突破し、その折り返しに反応した江坂がヘディングシュートを放った。42分には松下が強烈なミドルシュートを枠内に飛ばした。アディショナルタイムにはオリベイラが技ありのループを放つなど懸命に攻め続けたが、引いて守る千葉の守備を崩すことができず、スコアレスで前半を終えた。
 20分以上の時間を一人多い状況で過ごし、さらに風上にも関わらず前半は無得点。それでも江坂は「流れも良かったし、シュートの数も多かった」と振り返る。服部浩紀監督もチームの出来に手ごたえを感じていたようで、ハーフタイムに入るとまず初めに選手の奮闘ぶりをたたえた。そして、「ここからだ。何として1点取ろう。1点勝負だ」と後半に懸ける強い思いを伝えた。指揮官の熱い言葉を受け止めた選手たち。「結果を出さなきゃ意味がない。絶対に勝とう」。互いに声を掛け合い、円陣で気持ちを高ぶらせ、勝負の後半に向かった。
 強風は収まらず、後半は風下に立たされたザスパ。立ち上がりは千葉MFペチュニクに起点を作られ、シュートを打たれる場面もあったが、GK富居大樹と守備陣が落ち着いて対応。冷静な守りで相手に流れを明け渡さなかった。
 待望の瞬間は11分に訪れた。永井の縦パスをオリベイラがバイタルエリアで受け、アーリークロス。このボールに反応したのが、江坂だった。「サイドバックとセンターバックの間に抜けることを意識していた」(江坂)。狙い通りの動きで相手守備陣の間に入ると、クロスボールに合わせてジャンプ。競り合った相手選手をなぎ倒し、狙いすましたヘディングシュートでゴールネットを揺らした。
 チームに今季初勝利をもたらした第4節北九州戦以来、実に12試合ぶりとなるゴールで勢いに乗った江坂は、これだけでは終わらなかった。15分、小林竜樹との連携から小林亮が左サイドを突破。GKとDFの間を抜く絶妙なクロスを供給すると、このボールに江坂が体を投げ出して右足を合わせた。わずかに当たって軌道を変えたボールは、懸命に手を伸ばす相手GKをあざ笑うかのように、ゴールネットに吸い込まれていった。
 ここ数試合、チャンスがありながらも結果を残せていなかった江坂。相手の厳しいマークを受け、開幕当初の活躍に陰りが見え始めていただけに、自らの殻を破る複数得点となった。
 2点リードとなっても攻撃の手を緩めないザスパは、29分に永井に代えてMF吉濱遼平、37分にオリベイラに代えてFWカイケを投入し、貪欲に追加点をねらった。3点目を奪うことはできなかったが、複数の決定機を作るなど、攻撃の迫力が落ちることはなかった。
 守備陣の集中力も最後まで切れなかった。90分間、DF青木良太とDF乾大知のセンターバックが体を張り続け、GK富居も要所でファインセーブを発揮。千葉の攻撃をシャットアウトし、5試合ぶりに無失点で試合を終えた。
 今季ここまで、ホームで1勝しかできておらず、ゴールも2得点にとどまっていただけに、強豪千葉から複数得点を奪っての快勝に、試合後のスタジアムはしばらくザスパサポーターの歓喜の草津節が鳴り響いた。
 先制ゴールを決めた直後、スタンドに向かって駆け出した江坂は「自然と体が動いていた」と振り返る。思うように結果が出ない中、サポーターの声援に背中を押され続けてきたからこそ、真っ先に感謝の気持ちを示したかったのだろう。喜怒哀楽をともに分かち合う選手とサポーターの姿に、ザスパというクラブの魅力が詰まっていた。
 磐田、千葉と強豪チームを続けざまに撃破したことは、チームの大きな自信となったに違いない。結果を出すことによって迷いがなくなり、チームは一つにまとまりつつある。次戦は栃木とのアウェー戦。服部監督は「どんな相手でもやることは同じ。攻守で粘り強く戦うのがうちのやり方。これからもそういう部分をどんどん追及して、結果をつかみ取っていきたい」と強調した。今季初の3連勝を果たせば、チームは一気に波に乗る。北関東のライバルとの一戦は、上位浮上への足が掛かりとなる。



【結果】
ザスパクサツ群馬 2‐0 ジェフユナイテッド千葉

会場:正田醤油スタジアム群馬

5月31日(日)13時00分キックオフ
前半 0−0
後半 2−0
入場者数:4557人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150531.html
をご覧下さい。

本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
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