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2015年04月20日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第8節セレッソ大阪戦
試合レポート
「ジャイアントキリング」。
2015年4月19日は、クラブ史に残る歴史的な一日となったに違いない。現役・元日本代表だけでなく、ワールドカップMVP選手までも在籍するC大阪に真っ向勝負を挑み、そして、勝った。
試合前、服部浩紀監督は「サッカーは名前でやるわけじゃない。どんな状況でも粘り強くやるんだ」とチームを鼓舞したという。指揮官の熱い言葉に、選手たちは普段以上に闘志を燃やしてピッチに飛び出したに違いない。
だが、相手はJ2屈指の戦力を誇るC大阪。開始2分、いきなり出ばなをくじかれた。
相手ディフェンスラインからのロングボールにDF乾大知が一歩引いて競り合い、相手FWフォルランに頭で落とされると、すかさずFW玉田圭司にPA内まで持ち込まれ、フォルランにラストパスを送られた。乾、DF久富良輔、GK富居大樹と3人が必死に防ぎにかかるも、冷静に蹴り込まれてゴールネットを揺らされた。「最初の競り合いでフォルランに手前でボールを落とされたので、(失点シーンは)一歩引いたタイミングでいってしまった」と乾。ワールドカップMVP選手の巧みな駆け引き、さらにはC大阪の個の能力の高さを見せつけられた瞬間だった。
3連敗中のチームにとって、最悪の時間帯の失点。それでもチームは崩れなかった。運動量、球際で相手を勝り、徐々に自分たちのペースにもっていった。チーム全体の前への意識が強く、積極的なプレスで相手を苦しめた。
8分にはアマチュア契約ながらJ初出場を果たしたDF川島將のアーリークロスから、MF小林竜樹がボレーシュート。9分はハーフウェーライン付近でボールを奪ったMF永井雄一郎が、自らドリブルで持ち込んでシュートを放った。12分にはMF江坂任が仕掛け、最後はMFアクレイソンが枠内へ無回転シュート。立て続けにチャンスを作り、C大阪ゴールに迫った。
待望の同点ゴールが生まれたのは、押せ押せムードが高まった28分だった。
左サイドで川島がロングスロー。PA内まで届いたボールをDF青木良太がさらに中央までそらすと、ボールに向かったFW野崎桂太の股の間をワンバウンドしてすり抜け、その後ろで虎視眈々とこぼれ球を狙っていた小林竜樹が左足を一閃。ボールをゴールネットに叩き込んだ。
その後も一人一人の出足の鋭さが光り、自分たちのペースを維持して折り返した。
ハーフタイム。ロッカールームでの円陣で、MF松下裕樹主将は「まだ何も終わっていない。もう1点取って、勝って帰ろう」と強調した。その言葉に、力強くうなずく選手たち。チームの全員が、貪欲に勝利を目指していた。
後半は文字通りの我慢の展開だった。圧倒的にボールを握られ、自陣に押し込まれてばかり。それでも体を張った守りでゴールを死守し、一瞬の隙を狙ってカウンターを仕掛けた。
最初の好機は8分。江坂がヘディングで落としたボールを小林竜樹が拾い、丁寧なスルーパス。抜け出した永井がGKと1対1となり、股の間を狙ったシュートを放ったが、惜しくもGKの右足に阻まれた。
その後はほぼ一方的な展開で守備に奔走。それでも2失点目を許さずに試合終盤に入り、ほんのわずかな隙を突いた。
歓喜の瞬間は39分だった。
途中出場のMFオリベイラの縦パスからMF吉濱遼平が左へ落とし、川島が左足クロス。中央でFW小牟田洋佑がダイビングヘッドを試みると、ボールに触れることはできなかったが、後ろのDFに当たって跳ね返り、待ち構えた小林竜樹の前にこぼれた。すかさず小林竜樹が頭で反応。ボールはGKの手をはじき、サイドネットに突き刺さった。両手を上げ、ベンチに駆け寄る小林竜樹。それを全員で迎え、ピッチサイドに歓喜の輪が広がった。
アディショナルタイムを含めた残り時間、最後まで必死にボールを追いかけ、粘り強く、泥臭く戦い抜き、リードを守った。まさにチーム一丸、ひとつになって、大きな大きな1勝を手にした。
試合後のロッカールームは、金星の余韻はしばらく続いていた。だが、次第に雰囲気は変わっていった。「まだ一つ勝っただけ。次に負けたら意味がない」。選手たちは互いに声を掛け合い、引き締めた。
次節は再びアウェー戦。強豪撃破の勢いを生かし、今季初の連勝を果たせるか。チームの真価が問われる一戦となる。
【結果】
ザスパクサツ群馬 2‐1 セレッソ大阪
会場:ヤンマースタジアム長居
4月19日(日)16時キックオフ
前半 1−1
後半 1−0
詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150419.html
をご覧下さい。
本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
TEL:027-225-2350 FAX:027-225-2355