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2015年03月31日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第4節ギラヴァンツ北九州戦

試合レポート

 何よりも欲していた結果を手にした。シーズン開幕から4戦目。アウェー北九州の地で、ザスパは虎の子の1点を守り抜き、待望の初勝利を果たした。
 1万1千人の観衆を集めたホームでの開幕戦を落とし、その後も2戦連続でドローに終わっていたザスパ。ただ、その2戦はともにビハインドの状況から引き分けに持ち込んでおり、初の勝ち点3に向けて一歩ずつ前進してきた。
 着実に前に進んでいたチームに暗雲が立ち込めたのが、3月24日の火曜日。前節、ホームでの大分戦で終了間際に負傷退場したブラジル人FWタンケが全治8ヶ月と発表され、今シーズン中の復帰は絶望的となった。開幕前からタンケを中心に攻撃を組み立ててきただけに、チームへの影響は計り知れなかった。加えて今週のトレーニングではベテランFW永井雄一郎も別メニュー調整。攻撃の再構築を余儀なくされた中で、今節の北九州戦を迎えた。
 負ければ一気にチームが下降線をたどりかねない一戦。服部浩紀監督は「タンケのけがは痛いが、逆に若い選手が奮起してくれるはず」と期待し、前橋育英高出身の大卒ルーキー、FW小牟田洋佑をスタメンに抜擢した。その他にも右サイドバックにDF久富良輔、ボランチにMF黄誠秀を起用。フレッシュな陣容での一戦に挑んだ。
 試合は前半、やや北九州ペースで進んだ。ザスパは小牟田とFW大津耀誠の2トップが積極的に相手のボールホルダーにチェイシング。高い位置でのボール奪取から得点を狙った。少ないタッチのパス交換からペナルティーエリア内に入り込んだシーンなど、ゴールの雰囲気を感じさせる場面は少なからずあったが、迫力は今ひとつ。決定機をつくれないまま折り返した。
 ハーフタイムで気合を入れ直し、後半は立ち上がりから攻めた。キックオフ直後、この試合最初の決定機を迎えた。MF松下裕樹主将のロングパスを受けたMF江坂任が左サイドで粘り、ライン際からクロス。中央の小牟田が頭で合わせたシュートは、惜しくもクロスバーの上を通過した。
 これで流れをつかむと、続く2分、服部監督の期待通りに若い力が躍動した。自陣でクリアを拾った江坂が小牟田につなぎ、ハーフウェーライン付近でボールを受けたMF吉濱遼平が利き足の左足で絶妙なスルーパス。自陣から前線まで走り続けていた江坂がDFラインの裏に抜け出し、冷静にGKをかわしてゴールネットを揺らした。「大分戦でも同じようなパスを狙っていたし、キャンプからずっとこの形を練習してきた」と吉濱。江坂も「遼平がボールを持ったら裏に抜けることを意識していた」と話す。22歳の2人が、狙い通りの連係プレーでゴールを奪った。
 リードして勢いづいたザスパは、6分にも決定機をつくった。敵陣でのスローインから左サイドでDF小林亮が中へ切り込むと、大津のポストプレーから小牟田がペナルティーエリア内でシュート。これは惜しくもGKに阻まれた。
 ただ、その後は北九州の反撃を受けて徐々に押し込まれていき、時間の経過とともに防戦一方の苦しい展開になっていった。運動量が落ちて選手間の距離が間延び。クリアしてもすぐにボールを拾われ、再び自陣で守り続けるという一方的な時間帯が続いた。
 あわや同点、というシーンを何度もつくられたが、相手の決定力不足にも助けられ、残りは4分のアディショナルタイムのみとなると、最後は冷静にボールをつないで時間を使い、なんとか逃げ切った。
 主力の離脱を乗り越えて手にした初勝利は、チームの大きな自信となったに違いない。多くの好機に絡んだ小牟田は及第点のプレーだったし、今季初スタメンの黄誠秀、久富の2人も持ち味を存分に発揮して勝利に大きく貢献した。開幕前のけがから復帰し、途中出場でMF小林竜樹がプレーできたことも今後に向けた明るい材料だ。
 ただ、まだ一つの勝利を手にしたに過ぎない。「この勝利を大きな1勝にしていかないといけない」と江坂。喜びもつかの間、中二日でホームでの長崎戦が待つ。「しっかりいい準備をして、ホームで勝ちたい」と松下。初勝利を自信としつつ、チーム一丸となって再び目の前の一戦に全力で立ち向かう。



【結果】
ザスパクサツ群馬 1‐0 ギラヴァンツ北九州

会場:北九州市立本城陸上競技場

3月29日(日)15時キックオフ
前半 0−0
後半 1−0

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150329.html
をご覧下さい。

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