2015年08月28日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第27節FC岐阜戦

試合レポート

 仕切り直しの一戦は、悔やまれる敗戦となった。当初は8月1日に予定されていたJ2第27節ザスパクサツ群馬vsFC岐阜戦。雷雨による延期を経て、代替日程の26日に開催された一戦で、ザスパは持ち味を発揮することなく敗れた。勝てば上位との差がぐっと縮まり、目標を上方修正できただけに、痛恨の一敗だった。服部浩紀監督は「まだまだうちは上を見るべきチームではないということ」と勝負の一戦を落とした悔しさを噛みしめた。
 前節のアウェー大宮戦から中2日。3試合負けなしと好調を維持するザスパは、出場停止が空けたMF松下裕樹主将がスタメンに復帰。1トップにFW野崎桂太を置き、2試合連続ゴール中のFW江坂任を2列目に配置する布陣で臨んだ。大宮戦で殊勲の守備を見せたDF乾大知が出場停止となったため、センターバックにはDF青木良太が2試合ぶりにスタメンに戻った。
 試合前から振る霧雨と、生えそろった芝の雨露にナイター照明が反射し、幻想的な雰囲気に包まれた中で始まったこの日唯一のJ2リーグ戦。ザスパは前半、序盤から積極的に相手ゴールに迫った。
まずは4分、岐阜DFラインの不安定さを突き、MF吉濱遼平が敵陣深くでボール奪取。そのままドリブルでPA内まで入り込んだ。ボールを持ちすぎたために相手GKに阻まれたが、逆サイドでMF小林竜樹がフリーで位置取っていただけに、ラストパスが通れば先制ゴールとなるビッグチャンスだった。
 10分にはピッチを幅広く使った攻撃で好機。左サイド、ハーフウェーライン付近から吉濱が大きくサイドチェンジすると、このボールに反応した小林竜樹が相手DFをかわしてバイタルエリアまでドリブル突破。最後は松下がミドルシュートを放った。20分にはスローインからの流れで、小林竜樹が反転プレー2人をかわし、PA内に入って枠内シュート。相手GKの好セーブにあったが、あと一歩でゴールとなる惜しいシーンをつくった。さらに23分、自陣からの松下の縦パスを小林竜樹がヒールパスで流し、これを受けた野崎が勢いに乗ってPA内まで突破し、右足を振り抜いた。シュートは惜しくもミートしなかったが、可能性を感じる連係プレーだった。34分にも吉濱が左足で枠内シュートを放つなど、押し気味に試合を進めていたが、どうしても1点が奪えず。自分たちのペースの時間にゴールを奪えなかったことが、この後の展開に大きく響いた。
 37分、相手のロングボールを受け、簡単に与えてしまったCKだった。岐阜左サイドからのCKで、ショートコーナーから再びキッカーにボールが戻され、ファーサイドへクロスを上げられた。守備の人数もそろっていた。相手のマークも外していなかった。入ってきた相手のクロスボールの精度が高かった。「何とか外に出そうと思ってのプレーだった」という青木。懸命にクリアしようとしたボールが、自分たちのゴールネットを揺らした。
 1点ビハインドでロッカールームに戻ってきた選手たち。内容は悪くなかっただけに、後半に向けて気持ちを切り替えているようだった。服部監督も開口一番、「大丈夫だ。悪くない。必ずひっくり返せる」と手ごたえを口にし、後半での巻き返しに自信を見せた。
 だが後半、強くなった雨が出足を鈍らせたのか、迫力のある攻撃を仕掛けられなかった。敵陣でプレーする時間は長かったものの、バイタルエリアから先、相手にとって脅威となる位置でのプレーが少なく、決定機をつくりだすことができなかった。状況を打開しようと、服部監督はまず18分、小林竜樹に代えてMFオリベイラを投入。さらに28分にはボランチのMF坂井洋平に代えてMF永井雄一郎を送り込み、前線の人数を増やして必死の反撃に出た。
 しかし、中盤の底からの鋭い縦パスで攻撃のスイッチを入れていた坂井が不在となったことで、逆にチームはリズムを失ったように見えた。決定機をつくれないまま時間だけが経過し、最後の一手として野崎に代えてFW小牟田洋佑を投入するも、悪い流れを変えることはできなかった。セットプレー以外にほとんどシュートを打てず、アディショナルタイムの松下のFKも、相手の壁に当たって跳ね返された。そして0−1のまま、終了のホイッスルを迎えた。
 「本当にもったいない。ここで勝てば上に近づき、下を離すことができた。単純にもったいない試合をしてしまった」。吉濱の言葉が示すように、ザスパにとってこの日の一戦は、今季の残り試合で上を見て戦うためにも、とにかく結果にこだわらなければいけない試合だった。今季ここまで、何度も落としてきた一段上のステージに上るための勝負どころの一戦は、またしても黒星に終わった。
 残り試合が刻々と少なくなる中、上位を目指すためには絶対に勝たなければいけなかった。この日の敗戦により、上位浮上に向けては瀬戸際に立たされたと言わざるを得ない。それでも服部監督は「下を向く必要はない。課題も明確になっているし、今季の残り試合で少しでも上に行けるように、一戦一戦全力で戦っていく」と前だけを向いて戦うことを強調した。
天皇杯を挟み、リーグ戦の再開まで2週間強。その間に課題をどこまで修正できるか。天皇杯の戦いももちろんだが、再開初戦となる第31節東京V戦は、内容も結果も求められる大事な一戦となる。
 


【結果】
ザスパクサツ群馬 0‐1 FC岐阜

会場:正田醤油スタジアム群馬

8月26日(水)18時30分キックオフ
前半 0−1
後半 0−0
入場者数:1824人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150826.html
をご覧下さい。

本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
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