2015年06月22日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第19節水戸ホーリーホック戦
試合レポート
不名誉な歴史を変えることはできなかった。ザスパは北関東のライバル水戸に気迫負け。5年間勝利のない相手にまたしても黒星を喫し、第17節栃木戦(1−5)に続いて北関東ダービー2連敗となった。服部浩紀監督は「自分たちの力のなさを感じた」とふがいない結果に肩を落とした。
互いに前節を引き分けで終わった両チームにとって、今節は浮上のきっかけをつかむための重要な一戦。ザスパはFWカイケに代えてMF永井雄一郎を右サイドに起用。大幅なメンバー変更はせず、前節の流れを引き継いだ布陣で臨んだ。
立ち上がり、水戸の出足の鋭さに苦しむザスパは、自陣でプレーする時間が続いた。サイドの裏のスペースを突かれ、簡単にクロスを上げられる状況が続いた。ゴールこそ許さなかったものの、10分過ぎまで相手ペースの我慢の展開だった。
粘り強く戦いつつ反撃のチャンスをうかがい、迎えた14分、右サイドを起点に見せ場を作った。バイタルエリアで相手のクリアボールを拾ったMF小林竜樹が、右サイドの裏へ浮き球パス。走り込んだDF夛田凌輔がダイレクトで折り返すと、中央でFW江坂任が右足でダイレクトボレー。鮮やかなシュートはわずかに枠を外れ、サイドネットの外側を揺らした。
これで勢いに乗りたいザスパだが、全体的に動きが鈍く、相手にボールを支配される展開が続く。チームとして相手の両サイドの裏のスペースを狙う意図を持っていたが、「相手の守備もそれをけん制してきていて、セカンドボールが拾えず、苦しい展開になってしまった」と夛田。逆に自分たちが背後を突かれる場面が多く、後手に回っている印象が否めなかった。前半アディショナルタイムには、PA内でマークがずれ、相手にフリーでシュートを打たれるピンチも。スコアレスで折り返したものの、流れをつかめない45分間となった。
ハーフタイム。この日のチームの状態の悪さを感じ、服部監督は「もっとシンプルにやろう」と指示。攻守で簡単にプレーし、リズムを作り出そうと試みた。
流れを変えるためにも、後半立ち上がりは集中して入りたかったザスパだが、一つのミスが命取りになった。2分、水戸のスローインからのプレーで、夛田、DF乾大知と連続してクリアボールを相手に当て、背後を取られる失態。簡単にクロスボールを上げられ、中央で合わせられて先制ゴールを許した。「簡単にタッチラインに出していれば、結果は違ったかもしれない。縦に大きく蹴って、前につなげようと思ったプレーだった」と乾。服部監督からシンプルなプレーを指示されていただけに、悔やんでも悔やみくれない失点となった。
ビハインドを背負ったザスパは、10分に永井に代えてカイケを投入。この交代で前線にリズムが生まれはじめ、敵陣でプレーする時間が長くなった。しかし、この日は選手間の連係が今一つ。決定機らしい決定機を作れず、時間だけが経過した。22分にはMF坂井洋平に代えてFW野崎桂太を送り込み、さらに攻撃に人数を掛けた。
直後の24分、PA内で夛田が相手選手を倒し、PKを献上。さらなるビハインドを背負う大ピンチを迎えたが、このPKは守護神GK富居大樹がセーブし、難を逃れた。
富居のビッグセーブを反撃の勢いにつなげたいザスパ。1トップに野崎を置き、江坂が2列目に下がって4−1―4−1の布陣に変え、反撃に出た。
37分、左サイドでボールを持ったMF吉濱遼平がアーリークロス。PA内に入り込んでいた江坂が頭で合わせたが、シュートは力なく外れた。
この後はほとんどチャンスを作れず、時間だけが経過。4分ものアディショナルタイムも効果的に攻めることができず、無念のタイムアップとなった。
力負けといえる完敗だった。MF松下裕樹主将は「何にも言葉が出ない。こんな結果になってしまって、本当に情けない。自分のへたくそさにがっかりしているし、何もできなかった自分がふがいない」と自らを責めた。北関東ダービーという意地の誇りを懸けた戦いにも関わらず、気迫で水戸を上回ることができなかった。覇気のない戦いに、試合後のスタジアムはザスパサポーターのブーイングが響いた。
浮上のきっかけをつかむはずの一戦を落とし、逆に下位との差を気にせざるを得ない状況になってきた。このまま降格争いに巻き込まれていくのか、それとももう一度立て直して後半戦での巻き返しにつなげるのか。次戦のアウェー岐阜戦が正念場となる。
【結果】
ザスパクサツ群馬 0‐1 水戸ホーリーホック
会場:正田醤油スタジアム群馬
6月21日(日)18時00分キックオフ
前半 0−0
後半 0−1
入場者数:2398人
詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150621.html
をご覧下さい。
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