2015年06月08日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第17節栃木SC戦

試合レポート

 見ているのが辛かった。アウェー栃木県グリーンスタジアムで行われた今季初の北関東ダービーで、ザスパは栃木に1−5で大敗した。完膚なきまでに叩きのめされ、3年ぶりの北関東ダービーに臨んだMF松下裕樹主将は、「申し訳ない気持ちでいっぱい」と声を振り絞った。試合後はチーム全体がショックを隠し切れない様子だった。
 ザスパは磐田、千葉と強豪チームを相手に連勝し、勢いを持って今節に臨んだはずだった。スターティングメンバーは3戦連続で同じで、服部浩紀監督も好調なチームの勢いを最大限に生かす考えだった。
 試合は前半、立ち上がりからザスパの出足の遅さが目立った。チームの好調さを支えてきた運動量やハードワーク、球際の強さは影をひそめ、栃木の気迫に押されて後手に回ってばかり。ほとんど敵陣に入ることなく序盤の10分間を過ごした。
 それでも何とか守備陣が耐え、粘り強く戦い続けていればどこかで勝機が見出せたかもしれない。11分、そんな淡い期待はもろくも崩れ去った。
 敵陣でMFオリベイラが簡単にボールを失うと、そこから栃木が一気にカウンター。ザスパは人数がそろいながらもボールホルダーへのプレスが甘く、バイタルエリアまでドリブルを許すと、DFラインのギャップを突かれ、簡単に先制点を献上した。
 いきなりの1点ビハインドで、チームは明らかに浮足立った。反撃すべく前に出る意識は高まるも、気持ちが先走って連係が今一つ。敵陣で攻撃を組み立てても、シュートまで到達する前にボールを奪われ、逆にカウンターを受けてピンチを招く悪循環に陥った。27分、相手のクリアボールを拾った松下が苦し紛れに放ったミドルシュートがチームのファーストシュートだった。
 思うようにリズムをつかめず、迎えた34分、さらなる試練が待ち受けていた。自陣でのオリベリラのパスミスからPA内で相手FWに起点を作られ、ポストプレーで落とされたボールを蹴りこまれて痛恨の2失点目。1失点目と同様、守備の人数がそろいながらも、チームとして相手の攻撃陣の動きに対応することができなかった。
 2点ビハインドを背負って迎えたハーフタイム。ロッカールームは重苦しい雰囲気に包まれていた。それでも懸命に前を向き、声を掛け合って鼓舞しあう選手たち。服部監督も「1点取れば流れは変わる。勝って帰るぞ」と声を張り上げた。
 迎えた後半、立ち上がりは前への意識が高く、リズムよく相手陣内に攻め込んだ。ただ、強固なブロックを敷く栃木のDFラインを突破できず、思うように決定機まで至らなかった。自分たちのペースの時間帯でゴールを奪えず、徐々に再び相手ペースになっていった。
 7分、自陣右サイドの裏のスペースを使われ、折り返しを押し込まれて3失点目。イケイケムードの栃木に対し、下を向いて悔しさをかみ殺す選手の背中は、小さく見えた。悪夢は、これでは終わらなかった。
 26分、相手GKのキックのこぼれ球が自陣まで飛ぶと、DF乾大知が競り負け、相手FWに起点つくられてスルーパスを許した。このパスで抜け出した相手選手に誰もついていけず、敗戦が決定的となる4失点目を献上した。さらに35分には、ショートコーナーに対する守備で集中力を欠き、5失点目。見るも無残な結果に、選手は茫然とピッチにたたずんだ。
 それでも何とか一矢報いようと、最後まで懸命に攻め続けた。服部監督も次々に攻撃的な選手を送り出した。そしてアディショナルタイム、FWカイケのパスを受けたFW江坂任が2試合連続ゴールを奪った。「勝利につながるゴールじゃないと意味がない」と江坂。チームとしてわずかな意地は見せたものの、悲しく、むなしいゴールだった。
 今年こそダービーのタイトルを、という思いで臨んでいたザスパにとって、あまりにも厳しい結果となった。磐田、千葉と強豪を撃破して喜びを分かち合ったことがうそのように、試合後はサポーターの大ブーイングが沸き上がった。怒りをあらわにするサポーター、肩を落とす選手たち、懸命に語り掛ける服部監督、痛々しい光景ばかりが続いた。
 この一戦をどう受け止め、這い上がっていくか。次戦の岡山戦まで、チームに与えられた時間は少ない。「やるしかない」とDF青木良太。結果で、悪夢を払しょくしたい。



【結果】
ザスパクサツ群馬 1‐5 栃木SC

会場:栃木県グリーンスタジアム

6月6日(土)13時00分キックオフ
前半 0−2
後半 1−3

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150606.html
をご覧下さい。

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