2015年04月30日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第10節カマタマーレ讃岐戦

試合レポート

 勝利の余韻を楽しむかのように、しばらく声援が鳴り止まなかった。MF松下裕樹主将の豪快なロングシュートが決勝点となり、ザスパが讃岐を1−0で下した。
 アディショナルタイムの2失点で東京Vに敗れた前節から中2日、服部浩紀監督は「コンディションを重視して」メンバーを選択。1トップに4試合ぶりの先発となったFW小牟田洋佑、右サイドに5試合ぶり先発のMF吉濱遼平を起用し、連戦に挑んだ。
 試合は前半、ザスパペースで進んだ。シュート数が少なかった最近の試合の反省から、服部監督は「とにかくフィニッシュで終わること」を徹底するよう指示。チーム全体の前に出る意識が強く、特にDF久富とDF川島將の両サイドバックが積極的にオーバーラップして攻撃を活性化。相手のDFラインが下がったとみれば、松下MFアクレイソンの両ボランチも果敢にロングシュートを放ち、相手ゴールを脅かした。
 ファーストシュートは5分、バイタルエリアでボールを持った小牟田が右足でシュートを放った。9分は久富の右クロスからMF江坂任が左足でボレーシュート。10分にはCKの二次攻撃で松下がクロスを上げ、DF青木良太の折り返しに江坂が合わせてゴールネットを揺らしたが、惜しくもオフサイドの判定となった。25分には、アクレイソンの無回転シュートが枠内を襲撃。次々とチャンスをつくり、相手ゴールに迫った。
 前節東京V戦では、いい流れの時間帯に得点を奪えず、終盤にわずかな隙を突かれて失点。決定力不足が敗戦の要因となった。
 だが、この日は違った。決めるべき時に、決めるべき選手が、きっちりと結果を出した。
 ハーフタイムが近づいた41分、相手のDFラインが下がり、プレスが甘くなったところを松下が見逃さなかった。江坂からパスを受け、コースが開いていることを確認すると、迷わず右足でロングシュート。アウトにかかったボールは弧を描き、懸命に手を伸ばす相手GKをあざ笑うかのように、ゴールネットに吸い込まれていった。
 後半、讃岐の反撃を受けて守勢に回る時間帯も多くなったが、DF乾大知やGK富居大樹らが落ち着いて対応し、ピンチを未然に防いだ。押し込まれながらも攻撃の意識は失わず、積極的に追加点を狙う姿勢も光った。特に18分、右クロスを左足で直接合わせた川島のシュートは、相手GKのセーブにあったものの、会場を沸かせるレベルの高いプレーだった。追加点は奪えなかったが、最後まで集中力を切らさず、1点を守り抜いて終了のホイッスルとなった。
 試合後、ゴール裏のサポーターを前に、松下が語った。「小さなクラブだからこそ、みなさんの応援がチームの力になる。これからも応援してほしいし、みなさんの一緒に夢を見たい」。頼れる主将の熱い言葉に、サポーターはかつての盟友、MF櫻田和樹(現静岡産業大サッカー部コーチ)のコールに松下の名前を乗せて、チームとともに戦っていく決意を示した。喜びと笑顔であふれるその瞬間のゴール裏には、サッカーの、そしてザスパというチームの魅力が詰まっていた。 
 無我夢中でピッチを駆け抜けた選手たち、精一杯の応援でスタジアムの雰囲気を作り上げたサポーター、両者が一体となって勝ち取った、この日のホーム初勝利だった。
「連勝して、ホームに戻ってきたい」。試合後、アウェーでの連戦に向け、選手は口をそろえた。まだシーズンは10試合が終わっただけ。サポーターとともに見る夢は、始まったばかりだ。ここからザスパの巻き返しが始まる。



【結果】
ザスパクサツ群馬 1‐0 カマタマーレ讃岐

会場:正田醤油スタジアム群馬

4月29日(水・祝)19時30分キックオフ
前半 1−0
後半 0−0
入場者数:2530人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150429.html
をご覧下さい。

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