2016年06月18日
【試合レポート】2016明治安田生命J2リーグ第18節ロアッソ熊本戦

試合レポート

 辛くも引き分けに持ち込んだ。J2第18節ホーム熊本戦。ザスパは途中出場の小林竜樹のアディショナルタイム弾で引き分けに持ち込み、勝ち点1を手にした。服部浩紀監督は「内容的には、熊本が勢いを持って入ってきて、先に失点してしまったが、最後までうちも諦めずに戦い、追いつくことができた」と選手の粘りをたたえた。
 前節北九州戦の快勝から中3日。下位からの脱出に向け、今節は絶対に連勝したい一戦だった。服部監督は北九州戦の出来を受け、スターティングメンバーに前節と同じ11人を送り出した。
 震災からの復興のシンボルとなっている熊本が相手とあり、ピッチ外では復興支援に向けた様々なイベントが企画されたゲームだったが、ピッチの上では互いに真剣勝負。試合前、ザスパイレブンもいつも以上に気迫をみなぎらせ、前半のピッチに向かった。
 序盤、押し気味に試合を進めたのは熊本だった。立ち上がりから圧倒するつもりだったザスパにとって、想定外の熊本の勢い。だが、中村駿が「相手の圧力を受ける形となったが、自分たちでピッチの中でジャッジをして、それなら逆に裏を突いていこうと」と言うように、選手たちが臨機応変に対応した。
 だが、予想以上に熊本の圧力が強く、ラインが下がったザスパは20分過ぎ、立て続けに危ない場面を招いた。23分、24分と連続してミドルシュートを被弾。ともにバーに助けられ失点は免れたが、あと一歩でゴールとなる危険なシーンだった。
 逆にチャンスは36分。右サイドの裏のスペースに抜け出した瀬川祐輔が起点を作り、最後はPA内に侵入した山岸祐也がサイドネットを揺らすシュート。惜しくも枠を捉えられなかったが、可能性を感じるシーンだった。
 前半は互いにチャンスを作りながらも決定力を欠き、スコアレスで折り返した。
 後半、先に決定機を作ったのはザスパだった。3分、右サイドからの舩津徹也のアーリークロスに、逆サイドで高橋駿太がダイビング。惜しくもボールに届かなかったが、当たれば一点のビッグチャンスだった。
 試合が動いたのはその後だった。7分、自陣でのマークが甘くなり、ミドルシュートを叩き込まれた。ハーフタイムにコーチングスタッフからミドルシュートへの対応を指摘されていただけに、悔やまれるシーンとなった。
 リードを許したことで反撃のスイッチが入ったザスパは、前への推進力を上げて攻めに出た。
 14分には瀬川のふらりとしたパスにゴール前で小牟田洋佑がヘディング。23分には小林、瀬川と繋ぎ、最後は中村駿がPA内で惜しいシュートを放った。終盤の41分には舩津のファーサイドへのクロスから、山岸が右足を振り抜いてシュート。しかし、いずれのチャンスもものにできず、1点ビハインドのままアディショナルタイムに入った。
 ドラマはここからだった。90分プラス2分、ハーフウェーライン付近まで下がった永井雄一郎がポストプレーをこなし、右サイドの松下裕樹へ。松下が時間を作りながら前線の状況を確認し、PA中央付近にロングボールを蹴り込んだ。このボールに対し、永井と小林が反応。永井の背後を取る形で小林が位置取ると、そこに松下のボールがピンポイントで入り、次の瞬間、チーム最小身長の小林によるヘディングシュートがゴールネットを揺らした。
 試合はそのままのスコアでタイムアップ。劇的な展開で、敗色濃厚だった試合をドローに持ち込んだ。だが、勝たなければいけない試合で勝ち点1しか得られなかったことも事実。順位も20位のままと、苦しい状況は変わっていない。「最低限、勝ち点1を拾えたので、この結果を次につなげていきたい」と小林。厳しい戦いが続く中、状況を好転させるには結果を出し続けるしかない。次節は過去6戦6敗の長崎が相手。アウェーでの長崎戦はいまだノーゴールと嫌な数字が並ぶが、この難敵を倒せば波に乗れるに違いない。今季2度目のアウェー戦勝利で、シーズン後半での巻き返しにつなげたい。
 最後に、試合後のスタジアムの様子を伝えたい。震災からおよそ2ヶ月。いまだ復興の過程にある熊本とのゲーム終了後、両チームの選手が「がんばろう!九州・熊本」と記された横断幕を持ち、スタジアムを一周した。熊本には2年前までザスパに在籍した平繁龍一が、ザスパは常盤聡、青木良太といった熊本ゆかりの選手が横断幕に手をかけていた。復興への思いは、みんな同じ。そんな思いを選手たちが体現すると、スタンドから「がんばれ、熊本」の大合唱が始まった。
 スタジアムを去る直前、昨季まで熊本に在籍した常盤が、言葉を選びながら話した。「去年のチームメートだったみんなが、震災によって一時はチームの活動を停止して、ボランティアなどを行っていたことをもちろん知っていたし、自分も同じ状況にもしかしたらなっていたかもしれないと思うと、きょうはまず第一に、みんなと一緒にまたボールを蹴ることができて、本当にうれしかった。熊本県内はまだまだ震災前の状態には戻ってはいないだろうし、自分は遠い場所にいるが、それでもできることは何かを考え、活動していきたいと思う」。
 この日、スタジアムを訪れた全ての人が、震災に苦しむ熊本の人々に思いを馳せ、一刻も早い復興を願った。そして、サッカーのある喜びを改めて胸に刻んだに違いない。



【結果】
ザスパクサツ群馬 1−1 ロアッソ熊本 

会場:正田醤油スタジアム群馬

6月12日(日)16時00分キックオフ
前半 0−0
後半 1ー1
入場者数:4710人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2016/game/160612.html
をご覧下さい。

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